第十話
「なぁ、まず分身する時どんなイメージしたんだ?」
俺は大体予想できたが一応確認しておく事にした。
「えっと……ボンッって感じかな」
やはりか……だから失敗してボンッて感じの太った分身が出てきたのか
「翔吾が悪いんだからね?」
「何故俺なんだ?」
「イメージする前に忍者とか言うからそんなイメージになっちゃったんだから」
「なるほど……それは悪かった。いつもはどんなイメージなんだ?」
「いつもならバーンって感じかな」
今更だが絢香のイメージってかなり独特的だよな……なんとなく分からん事はないがイメージとしては間違ってるような気がする。
だがここで大きく変えても失敗するだけだろう。絢香には絢香のやり方があるからな。俺はそれをサポートするだけだ。
「じゃあ今度はいつもみたいにバーンって感じでやってみてくれ」
「分かった。今度は大丈夫だと思う」
絢香はまた集中しイメージしだした。
まぁいつもそれでやってるなら俺も大丈夫だと思いたい
「えいっ!」
もう呪文とかも唱えていない。呪文とかは雰囲気の為なのだろうか?
バーンっと絢香の分身が現れた。
「おぉ! 今度はそのまんま絢香だ。まるで双子のようだからどっちが本物か分からなくなるぞ」
「やったー! 成功ね」
本物の絢香はピョンピョン飛び跳ねて喜んでいる。
しかし、なにやらミシミシって音が聞こえてきた。
ん? 何の音だ?
次の瞬間分身の絢香の服がバーンと破れて下着姿になった。
「なっ!?」
「きゃーーー! 翔吾見ないでー!!」
俺は咄嗟に後ろを向いたが脳裏にはその姿が焼きついていた。
「いつも分身は服が弾け飛ぶのか?」
「そっ、そんなわけないでしょ! ちょっと気が緩んで維持できてなかっただけよ」
「なら、最後まで集中力を切らしたらダメだな」
「分かってるわよ。 ただ翔吾の前で上手く魔法出来たからつい……」
「気持ちは分かるが、もしこれが箒で飛ぶ魔法とかだったら落ちて怪我するかもだぞ? ちゃんと気をつけろよ?」
「うん……ちゃんと集中する。心配してくれてありがとう」
「あぁ。ところで分身はもう消えたのか?」
「まだだからこっち向いたらダメ!」
「また消す時爆発しないよな?」
「それは……」
「どうなんだよ!?」
「とりあえずやってみるね」
「待て! どんなイメージするつもりだ?」
「えっ? 消す魔法だからやっぱバーンかな?」
「バーンで大丈夫なのか? とりあえずポンって感じで消してくれ」
「あー! それいいかも。じゃあやってみる」
俺は後ろを向いたまま待っているがおそらく今、絢香は集中しているだろう。
正直振り返ってみたいが絢香の集中が切れるとまた爆発するかもしれない。ここは我慢だな。
「えいっ!」
掛け声が聞こえポンっという音も聞こえた
「どうだ? 消えたのか?」
「待って! 絶対振り返らないで」
「えっ? どうなったんだ?」
「……言わなきゃダメ?」
「見れないんだから説明してもらわないと」
「そう……だよね。えっと……分身の下着だけが消えちゃった……」
「えっ?」
「だっ、だから絶対振り向いたらダメだからね」
くっ、想像してしまったじゃないか……正直見たい。だが変態扱いされるのも困る。ここも我慢だ。
「とりあえず何でもいい。早く消してくれ」
「えっと、そうだよね。えーいっ!」
そして分身はまた爆発して消えていった。
何でもいいと言ったのが間違いだったのだろう。
また爆発音を聞いた絢香のお母さんがやってきてくれたがまた爆発するかもしれないから今日の修行が終わってから直してあげるねと言って戻っていった。
俺と絢香は髪がアフロになってるが笑うに笑えない状況だ。
「何でもいいとは言ったが、頼むから爆発以外でお願いします」
「なるべく気をつけるね……」
そうして修行はまだまだ続くみたいだ




