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第弐拾捌話 危機! 迫る光の柱!

「総員!ポイントへ急行せよ!また、設置型多機能兵装の使用を許可する!」


艦長の通信が流れ込む


「マスター!例の物使いますか?」

「せっかくだしな…」


マキアの提案に従いジークは腰に搭載していた箱型の物を外し手に持つ


「特殊兵装、使用準備開始…第1段階ロック解除…展開を開始」


手に持った箱は持ち手を除き、少しずつ変形を開始する


「ちょっと時間かかりますからね…待っててくださいよ〜」


変形を行う箱を右手に携えた巨神は滑走を行い、ポイントへと向かう


滑走する巨神、その後ろから空を斬り穿たんとする弾丸が飛び込んでくる


「ポイントはもう少しなんですけどねぇ…厄介そうなことになりそうですねえ…マスター」

「…だな…この箱、使えるか?」

「もうちょいです…使いたいなら少し時間を稼いでくださいマスター!」


射撃を続けながらジリジリと迫る巨人に向け、滑走速度を上げ接近すると見せ掛け!ドリフトして回避し、そのまま急速で回り込む!


そして!高速のドリフトにより生み出された雪の煙幕により、巨人は反応を一瞬、文字通り一瞬、1秒いや、0.1秒にも満たないかもしれないほど短い時間だったが鈍らせた!


このとてつもなく短い隙に!

右手に構えたライフルを放つ!


数発の弾丸は雪を弾き、標的へと進む


幾つかの弾丸は敵の巨人を掠めるが決定打とは至らなかった!


そして巨人の反撃の銃撃が煙幕を穿たんとするとき!

巨神は煙幕の中から飛び上がる!


飛び上がった巨神は頭上から左手に携えた箱を投付ける!


この数瞬に使用が可能になったこの箱、多機能兵装は巨人の後ろ側へと飛び込んでゆくと地面に落下し、四隅が展開して自立する


「対閃光防御、開始!レーダー…音波、熱源複合探知へと切りかえ!装置作動させます!」


マキアが一瞬にして行った仕事を言った瞬間!

箱から閃光が放たれ!突如として煙幕が拡散!


閃光自体は一瞬に切り替わったセンサーにより確認することは出来なかったが、すぐさま拡がった煙幕により動作したことを確認させた!


「動作しているようですね…特殊兵装…複合妨害兵装と読んだ方がわかりやすいですね…次からはこうやって呼びます!マスター!」

「そうか。じゃあ移動を開始するぞマキア!ポイントのマークは…」

「もちろんしてありますよ!」

「了解!いくぞ!」

「はい!」


移動を開始する巨神

従来の煙幕ならば少し距離を取ったあたりで巨人の妨害を受けるところだっただろう


しかしながら!

妨害、攻撃といったものは来なかった!


「さすが博士(ジジイ)達お手製の品だ…発想と行動がやばいくせになんでこんな良いもんが…」

「天才とバカは紙一重ってやつですよマスター」

「…うん、まぁそうか…」

「この針葉樹林を抜ければもうすぐですよ!マスター!」

「了解」


足元の木をなぎ倒しながら滑走を行う巨神は雪山を飛び超える

「着きましたよ…送信…」


全滅のリスクを避けるため、全員に個別に用意されたコンテナを開封する


「着地の衝撃でブースターは…破損はないようですね…装着しましょう」

攻撃に見せかけて投下させられていたコンテナは外見こそ傷はあれど中身本体は全く問題ないとひと目でわかる


「特殊ユニット接続完了。システム異常無し。Apotheosis(アポテオーシス) Over(オーバー) Booster(ブースター)AOB(エーオービー)起動!」


マキアが起動させたことにより神のための機械の翼は展開する


大きく開いた羽は圧倒的な推進力を神へ与え、空へと飛びあがらせる!

「目標地点設定!飛行開始!」







「…敵性反応確認!回避を!」


空を飛ぶ神を落とさんと銃を撃つ巨人!


それに対し!咄嗟に体を捻り、神々しく、しなやかに、回避を行う巨神!


「AOB通常戦闘モードへ切り替え、対処を!マスター!」


「そう簡単に行かせてくれるわけないかァ!」


指向性を持たせ加速するための形状から飛翔に向いた形状へと翼を変化させ地上にいる巨人へと急速で接近!


ブレードで切り裂き!次の標的へと直進する!


次の目標の1歩手前!

警告音が鳴り響く!


「避けて!」


マキアの叫び声を聞いて咄嗟に推進器を全て吹かし、加速する!


しかしその加速と同時に放たれた、光の柱は神の左腕を穿った!


機体操作の為連携されていた感覚が、彼に存在しない左腕が抉られた痛みを与える


あまりにも突然な出来事は言葉を発することも許さず

呻き声を上げることすらさせない


「…ッ!伝達部接続解除!ジーク!あなたの左腕は無事です!次が来る前に離れますよ!」

「…あぁ…サポートは任せたぞ、マキア」

「もちろんです…」


腕が消し飛んだ痛みは余韻を残し消えてゆく


「左腕分の重量バランスは私が補います!なのて最大速度で飛んでください!マスター!…いえ、ジーク!」


最大限踏み込み!


最大限ブースターを吹き!


最大限の力で地面を蹴る!


飛び上がった巨神は一瞬ふらついたのち、姿勢を戻し加速を行い飛び上がる!


「敵は全部あれに巻き込まれてます…だからさっさと逃げますよ!出力を最大にします!Gが掛かりますけど耐えてください!」

「…わかった」


いつもならば使われないほどの体の負荷を考えない出力によるブーストが行われる!


「耐えてくださいよ…ジーク…ッ!」

さらにスピードを上げる巨神は背後からまたも光の柱が発射されることを察知する!


「また対艦砲ですか…もう当たりませんし…当てさせませんよ…ちょっとだけ自由にやらせてもらいますよ!ジーク!」

「…任せた…ッ!」

「任され…ました!」


神の主導権を握ったマキアは咄嗟にリミッターを解除!

そのまま機体動作に用いられる電磁防壁を操り出す!


「予想発射タイミングまで10、9、8…ミスっても恨まないでくださいね…」

「恨まないさ…」

「ふふっ…ありがとうございますジーク…3、2、1…今です!電磁防壁最大出力!円錐状へと配列変更!防御準備完了!」


瞬間的に構成された電磁防壁により光の柱は霧散してゆく!


「…上手くいったな…マキア…」

「ですね…じゃ帰投しますよ、マスター!」

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