第拾捌話 恐怖! 天から降る光!
「砲塔展開!発射シークエンス完了!」
「アークイド艦首特殊砲発射1分前!弾道内味方全機退避せよ!繰り返す!直ちに退避せよ!」
「弾道内に味方機確認できず!充填完了しました!!」
「キシベ艦長に代わり私、サナダ副艦長が許可する!荷電粒子圧縮砲発射!!!」
「荷電粒子圧縮砲発射します!」
ビジュン
従来よりも収束を増され細く、威力がまされた光線は敵艦隊に向かい放たれ!破壊する!!!
「なっ!」
帰還せんとしていたグラハムの目の前で艦隊の半分が消し飛ぶ!!
「グラハム!大丈夫か!?」
「ルークか!?こっちは問題ない!」
「そうか…直ちにこの空域から離脱しようと思う」
「…いいや…まだ行けるはずだ…」
「グラハム…今は撤退しかない…このままでは全滅するぞ…」
「……撤退するぞ…ルーク…残存した味方を回収しノースウッド司令部に向かう」
「あぁ!了解した!」
「敵艦隊が撤退していきます!」
「今回も追撃はしない!味方機を回収し次の基地に向かう!」
「張り合いがないねぇ…」
「ラペイシャス、ジーク帰還するぞ」
「了解だねぇ…隊長…」
連邦軍第一艦隊 旗艦インディペデンスフリーダム ブリッジ内
「本艦隊上空、月軌道上に超高エネルギー確認!」
オペレーターは突如モニターを眺めながら叫ぶ!
「原因はなんだ!?まさか…」
「…大地の女神の瞳です!大地の女神の瞳が発射シークエンスを開始し充填を開始しいます!」
「なっ…セキュリティーが突破されたのか!?」
「不明です…が…ここが目標にされていると思われます!」
「…全艦回避!散開せよ!繰り返す!全艦散開!散開せよ!!」
「エネルギー接近!このままでは…」
超膨大なエネルギーを持つ光の球体は回避しようとする艦隊を包み込む
光は数分後に何も残さずに収束した
この戦いにおいてイレギュラーな存在の中でもとくに異彩を放つ存在である大地の女神の瞳は連邦軍の特殊兵器であり、その威力は最大でオーストラリア大陸級の物質を吹き飛ばす物だった
この兵器が乗っ取られたという事実をうけ連邦軍は駐屯部隊を任命しその他部隊を即時撤退させた
この兵器の恐ろしいところは大規模な作戦を実施する際に艦隊をまとめて一網打尽にされる危険性が常に発生し、戦力を集中して置くことすらも封じられる事となった
これらの事態を受け、連邦軍は早急に対応を練らなくてはならない事態になったのであった
「早急に対処をするべきだ!」
常に攻撃される危険により冷静さを失った政府高官は慌てふためきながらそう叫ぶ
「落ち着け…主力部隊は先の戦で疲弊している…向かおうにもかなりの時間がかかる…」
「ではどうするのだ!?今も狙われているのではないか!?」
「早急に対処しなくてはいけないことには変わりないな…」
「あいつらがいるではないか!」
「あいつら…?」
「第一独立艦隊を向かわせよう」
「失敗したらどうする」
「奴らも同行させる」
こうして連邦軍の記録上一番無茶な作戦は計画されていくのだった