弾幕武闘
鼻息荒く、意気軒昂と間合を詰める。
ずけずけと無意識下の自己防衛領域、即ち半径二尺半へと歩みを進める。
ここに来て、はぐれの男が手元のゴミ袋から視線を外し顔を上げる。髭もほうぼうと生え、顔色も悪い。顔面蒼白である。
「これは…ふむ…特異亜型か……」男は呟く。
そう、確かにはぐれは見るからに虚弱、貧弱、全くの弱小で内在特異も矮小である。
しかし、眼だけは鋭く男を見据えていた。
男は思案する。特異亜型…。厄介な相手だ…。さっき嫌悪感だけ押し出していたが、この期に至っては秘す必要も無きかな…。
自己の相対する矛盾も又、亜型を生み出す1つの要因でもある。
さて……どうしたものかな……
目の前の男を見据える。体調は良くない、が男も大方解析し終えた頃合か…。悠長にしている暇はなし。一撃で決めるのが最善、だがそれは本当に最善であり次善が本命である。
男が……動く……! なるほど、力弾を弾幕代わり……!
軽いステップで捌きつつ、男から眼は離さない。
詰める気配なし…。やはり勘づかれたか。
仕方あるまい、此方から行かせてもらおう。何しろ長期戦はこちらに不利なのだ。
「ふっ!一撃で仕留める…! 孤弾!」
飛び切りデケェのをかました…!弾速は遅いが…この距離なら最低かすりはする…!喰らえェ!
………と、見せかけーの 力弾幕!
巨大な弾が無数の小さな弾に分裂する。そして着弾。力弾幕には様々な用途があるが今回の用途は一つ留まらなかった。
「叫んだ技名に騙されんなよ笑。脳筋がよ笑」
そう、見事に油断しきっていた男は力弾幕に対し、何ら有効な行動を取れずその87%が男に着弾。人体への外傷は悲惨なもので手足は辛うじて残っているものの、眼は両方失明していたのだ。
うぉぉぉ!糞!あの野郎!やりやがった!
男は怒り狂い、感情のままに叫ぶ。
「内在顕現!」




