01 ではここでインターネットの皆さんを ④
④動画サイトより
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(2023年12月3日、世界で最も視聴されている動画サイト内、登録者百人足らずの個人チャンネルに投稿され、後々インターネット回線の世界的なトラブルが発生するまで、あらゆる地域で数千万回再生された映像)
(01/12/2021 という表記。表記法から投稿者は英国系と思われる)
(新宿都庁を映している外国人観光客のもの。強いコックニー訛りの英語で都庁の説明をしている最中に、システム音声がコックニー訛りの英語で入り、カメラもその音声を拾っている。しばらく混乱する撮影者。だが数十分すると都庁入り口から全速力で駆け出してくる奇妙な姿の怪物があらわれ、避難する人並みに追われ撮影者はカメラを落とす。カメラは植え込みの中に着地。早回し編集。ときおり何かの影と、爆発音、悲鳴、うめき声だけ、等倍)
(やがて1人の男がカメラに気付いて持ち上げ、自分を映し頭上を指さす)
〈Lv102 悪鬼王 九ヶ島慶二郎鬼貞〉
(血まみれの男は人種も年齢もわからない。だが身長は3メートル近いこと、かすかに見える肌が薄汚れた暗い緑色であること、そして彼の笑みは邪悪であることはおそらく、全人類に伝わっただろう。男の頭上にあるウィンドウはなぜか、映像を見る者それぞれの第一言語で判読可能だった)
「ここは地獄だ」
(13カ国語で字幕)
低い、楽しそうな声。
男はカメラを周囲に向ける。
万に近い怪物たちがうごめいている。
「だから天国さ」
(13カ国語で字幕)
空に向けられたカメラは、巨大な生物が都庁屋上に着陸しているのを映す。
都庁は元の形から大きく変わっている。
あちこちに穴が開き、えぐれ、内部から汚濁色の構造物が張り出し、周囲の高層ビル群と連結しようと蠢いている。その動きはまるで生物の、細胞の動きを連想させる。
「待ってるぜ」
(13カ国語で字幕)
ウィンク一つすると男はカメラを投げ捨てた。
すると都庁から、夜が爆発して辺りを覆っていく。
狂ったような笑い声が、永劫の夜と化した新宿、都庁前に響く。
(映像はそこでブラック・アウト。そして、これはこのカメラを拾いに行った撮影者が変わり果てた新宿を運良く生き延びて回収し、公表するものである、このように超常の異界と化してしまったエリアへの立ち入りを、政府は即刻禁止すべきだ、という英語のテロップと、13カ国語の翻訳。神へ慈悲を請う祈りで動画は終わる)
とりあえず、書き溜め分はここまで投稿。
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