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平凡高校生(勇者)の並行世界救済劇  作者: 霧城ユウト
第二章 新たな仲間
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第7話 平凡高校生、名案を思いつく

 ジュリアがやったことの後処理をしろだぁ?


「おい、なんでそんなことになってんだ? お前、なんかやらかしたのか?」


「えっと……、確かに私はやらかしたのかもしれません……」


「……一体何があったんだ?」


「ご説明します」


 そう言うと、少女は説明を始めた。


「私の名前はリオネっていいます。私とジュリア様は元々とても仲が良かったんです。ジュリア様は、先程の戦いを見ても分かるように、凄い魔法使いなんです。そして、私もそこそこ魔法が使えたものですから、ジュリア様は私と仲良くしてくださったんです」


「確かに同じ魔法使い同士、一緒にいた方が色々交流もできるしね」


「さすが、バカでも賢者を職業にしているだけはあるな。その分析は正しいと思うぜ」


「今バカって言った?」


「言ってません。リオネ、こいつはいいから続けてくれ」


「わかりました。私とジュリア様の関係が壊れたのはちょうど15歳になる年のことです。このアルカト村では、15歳になる年のはじめに、魔法力を試す儀式みたいなものがあるんです。その儀式で、ジュリア様は他の子を全く寄せ付けない魔法力を発揮されたんです。ジュリア様も村長のガワリ様も大喜びでした」


「まぁ、娘が凄かったら大喜びするだろうな」


「当然よね。ここまでの話だと、問題はなさそうだけど?」


「はい、ここからが本題です。その儀式の日、私は遅刻してしまったんですが、ジュリア様と親しくしていたこともあり、特にお咎めもなく儀式をやらせていただいたんです。そこで、私はジュリア様を超える魔法を使用してしまって……」


「今の部分で大体読めたぜ。それが気に食わなかった村長やジュリアは、リオネに冷たくなりだしたんだな」


「その通りです。私は遅刻したせいで、ジュリア様の魔法は見ていませんでした。その時、私は弱い魔法を使ってジュリア様に嫌われたらどうしよう、とばかり考えていて……。」


「ジュリアを上回る可能性なんて考えてなかったと」


「はい」


 全く、この村の村長親子はとんでもない奴らだな。

 魔法力どうこうより、人間性が終わってる。


 そんな性格なら、新しいメンバーとしてパーティーに迎えるなんてもってのほかだな。

 ついさっきまでは新たな仲間キタコレと思ってたんだが……


「ちょっと待て」


 今のリオネの話だと、リオネは村長に理不尽な扱いを受けている。

 さらに、リオネの魔法力はジュリアより高い。

 そして、ここまで会話をした感じ、リオネの性格は良さそう。


「問題解決。ありがとうございます!」


「いきなりどうしたのよ拓真」


「おいリオネ。急な話だが俺たちと一緒に旅をしないか?」


「ちょっと拓真? 私の質問に答え……、ナイスアイデアね、それ!」


 そうだよ。リオネは理不尽な扱いを受けてるんだ。

 これは俺たちが助けてあげないといけないだろう。

 決して、強い魔法使いキタコレなんて考えているわけではない。


「どうだリオネ? 俺たちと一緒に来ないか?」


「……勇者様にお誘いいただけるなんて、大変光栄なことです。とても嬉しいです。ですが、申し訳ありません。一緒に行くのは不可能です」


「どうしてなんだ?」


「私は冒険に出ることを禁止されているんです」


 おいおい、一体どこまで無能なんだよ村長。

 わざわざ冒険に行くの禁止するとか性格悪すぎるだろ。


「何とかなんねーのか、それ」


「私の力ではどうにも……」


 まぁ、リオネ個人で何とかなるならもう実行してるよな。

 こりゃ勇者の権限も意味なさそうだ。

 いや、実際権限なんてないんだが……。


「うーん、何か都合よく事件起こらないかなぁー。村長の娘が拉致される、みたいな」


 おいおい、いくらなんでもそりゃあ都合がよすぎる……


「大変だジュリア様が魔物に!」


「急いで村長に連絡を!」


 あれあれ~。なんかホントに事件起きちゃいました?

 村の方が騒がしいんですけど?


「拓真! 早く行くわよ!」


「お、おう!」


「わ、私も行きます!」


 ◇


 慌てて村に戻った俺たちは、村の広場に村人が集まっているのを発見した。


「すいません! 一体何があったんですか!?」


「勇者様! ちょうど良かった! 村長、勇者様が!」


「なんだって!? おお、勇者様! 大変なんです、娘のジュリアが魔物に攫われてしまって……」


「落ち着いてください。娘さんを攫った魔物はどちらに?」


「向こうの山の方です!」


「なるほど、それでその魔物はどんな魔物でしたか?」


「それが、私が来たときには、もう魔物は逃げている途中で……」


「分かりました。すいません、誰かその魔物を直接見た人はいませんか!?」


 魔物の情報があるのとないのでは大違いだからな。

 誰かが魔物を見ているといいんだが……。


「私、その魔物見ました!」


「本当ですか!」


「はい、確かかなり大きい騎士みたいな魔物でした。……そうだ、大変なことを忘れていました。その魔物、魔王軍幹部だと言っていたんです!」


 何!?魔王軍幹部だと?

 俺そんな奴がいるなんて知らないんですけど……。


「魔王軍幹部は、魔王直属の精鋭五人のことよ。私も詳しいことは分からないけど……」


 いやいや、例え詳しいことは分からなくても、魔王の軍に幹部がいるなら教えといてよ。

 相変わらずバカだなセーナは……。

 けどな……、


「相手が魔王軍の幹部だろうと関係ない! 困っている人がいるなら俺たちは……」


 待てよ。ひょっとしてこれは喜ぶべきことでは?

 うまく利用すればこの状況……。


「お願いします、勇者様! 娘を、ジュリアを助けてください!」


「分かりました。ただし、それには条件があります」


 ぐっふっふ。我ながら超名案を思いついたぜ。


「もし俺たちが娘さんの救出に成功したら、リオネを俺たちのパーティーに入れて、自由にすると約束してください」

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