第6話 平凡高校生、新たな仲間を探す
昨日は投稿できず、すいませんでした。
本文がきれいさっぱり消え失せるというアクシデントがありまして……。
これからはしっかり全消えを防止しながら毎日投稿していきますので、よろしくお願いいたします。
俺がユーローズに来てから一ヶ月。
最初は地球とユーローズを行き来するの生活に戸惑いこそしたが、今ではすっかり慣れた。
セーナと旅を始めた時はレベル7だった俺も、昨日レベル40になった。
ちなみに、俺が地球にいる間もユーローズにいられるセーナのレベルは、一昨日で70になっている。とても羨ましい。
レベルが順調に上がっている一方、俺とセーナのパーティーの弱点も見えてきた。
攻撃魔法使いがいないことである。
セーナの職業は魔法使いの上級職である賢者だが、賢者は回復&補助魔法がメインだし、勇者である俺も魔法は使えるものの、威力が足りない。
なら、パーティーメンバーを増やせばいいのでは? ということになるのだが……、
「目的が目的だしなぁー」
そう、我が藍沢拓真軍(全隊員数二人)の最終目的は魔王を倒すことである。
今のところ、魔王による被害は出ていない。
しかし、セーナ曰く、ユーローズの人たちはみんな昔話で魔王の凶悪さを知っているらしいのだ。
つまり、魔王倒しに行くから誰か手伝ってくださーい、などと言っても誰もパーティーには入ってくれないのである。
だからといって、魔王を倒しに行くことを黙って誰かをパーティーに加えるのも不可能だ。
なぜなら、村や街に入るときにはステータスボードを衛兵に見せる必要があるからである。
そのときに俺が勇者であることはバレてしまうので、勇者様万歳、とはなるのだが、コッソリと仲間を増やすことはできない。さすがに、魔王を倒しに行くと知りながらついて来てくれる人はいないだろう。
「そう考えると、よく俺は魔王を倒す気になったな」
と色々考えていると、
「拓真、何さっきからボソボソ独り言言ってるの?」
「パーティーメンバーのこと考えてたんだよ。強い攻撃魔法使える人が仲間になってくれないかなぁ、って」
「私もそのことは考えてるけど、そんなに都合良く強い魔法使いには出会えないわよ。そのことも大事だけど、ほら、次の村が見えてきたわ」
「バカのお前に諭されると悲しくなるな……」
「何か言った?」
「いえ、何も」
セーナの追及をかわした俺は前方に目を向ける。
そこには、セーナの言った通り村があった。
今日の日にちは8月31日。夏休み最終日である。
明日から俺は学校に行かないといけないので、ユーローズで一日中ガッツリ冒険できるのは今日が最後だ。
旅ができるときに頑張っておこうということで、俺たちは今目の前に見えている村、アルカト村を今日の到達目標にしていた。
「新しい仲間のことは今はおいといて、今日はアルカト村でゆっくりしようよ。拓真も明日から忙しくなるんでしょ?」
「それもそうだな。よし、今日はゆっくり休むか!」
そう決めた俺たちはアルカト村に足を踏み入れた。
村の入り口でステータスボードの提示を求められたが、見せた途端に衛兵の態度が一変し、村の人たちに大歓迎されたこと以外に問題は無かった。
まぁ、村人からの歓迎を問題扱いしたらだめだな、うん。
その後、村の中をブラブラしていると、何やら村が騒がしくなってきた。
「一体何の騒ぎだ?」
「村の外からね。行くわよ、拓真!」
「おう!」
もし、村人が魔物に襲われたならすぐに助けないと。
◇
魔物から村人を守るつもりで村を飛び出した俺たちだったが、その心配は良い方向へと裏切られた。
「もう魔物が弱ってるぞ!」
「さすがジュリア様だ!」
どうやら、誰かが魔物と戦っているのを村のみんなで観戦しているらしい。この雰囲気だと全然問題無さそうである。
「すいません、これ、どういう状況ですか?」
「おお、これは勇者様! 今、アルカト村の村長であるガワリ様の娘、ジュリア様が魔物と戦っているんですよ。ジュリア様はとても強い魔法使いでね。ジュリア様が魔物と戦うとなると、村総出で見に行くんですよ」
ほう、それは凄いな。この数の村人を集めるなら相当の使い手だぞ。
これはもしや早速仲間を増やすチャンスなのでは……、
「拓真は物事を自分の都合よく考え過ぎよ」
「もしかして俺が何考えてたかバレてた? バカなのに?」
当然よ、と言わんばかりにこちらを見てくるバカ呼ばわりを見事にスルーしたセーナから目線を逸らしていると、村人の歓声が聞こえた。
どうやら戦いが終わったらしい。
「ジュリア様万歳!」
「ジュリア様がいればこの村は安心だ!」
この喜びようは相当だな。
これはジュリアさんにぜひ我がパーティーに入っていただきたい。
などと勝手な考えを巡らしていると、太った男が出てきて大声で話だした。
「今回の戦いも私の娘、ジュリアの勝利に終わった。ジュリアがいればこの村は大丈夫だ! みな、安心して仕事に励むがよい!」
どうやらこのおっさんがアルカト村の村長、ガワリらしいな。
俺、この手の偉そうなおっさん大嫌……、
「私、この村長嫌」
どうやらセーナも同じことを考えていたらしい。
これは俺たちのコンビネーションもいい感じだな、これからもこの調子でいこう。
と、脳内であれこれガワリを馬鹿にしていると、村人は次々と村に帰っていくのに、一人だけ帰らずに何が作業している女の子がいた。
「おいセーナ、あの子何してるんだ?」
「見た感じ、魔物の死骸を片付けてるみたいね。けどあの子、ジュリアとかいう娘じゃないわよ」
普通、倒したら魔物の死骸のその後は二通りに分けられる。
死骸から素材になりそうな部分を剥ぎ取るか、そのまま放置しておくかだ。
素材だけ取っても、何もせずに放置していても、そのうち綺麗さっぱり消えて無くなるので、わざわざ死骸を片付ける必要はない。
しかし、あの子は素材を剥ぎ取っている様子はない。
文字通り死骸を片付けているのだ。魔物を倒した張本人でもないのに。
「おい、お前。何でそんなことしてるんだ?」
不可解なことをする女の子に俺は理由を尋ねた。
言葉が少々乱暴なのは気にしたら負けだ。
「えっと、私が悪いからです」
「私が悪いって、お前が今の魔物を連れて来たのか?」
「いえ、そういうわけではないんですが……。とにかく私が悪いので片付けているんです」
「それっておかしくない?」
セーナの言う通りだ。
別の子が倒した魔物を片付けてる理由が私が悪いでは話にならない。
「別に怒ったりしねーからよ。ちゃんと理由を説明しろって」
「あの、その……、村長のガワリ様に命令されたんです。ジュリア様がやったことの後処理は私がやれと」




