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7 火を囲んで

「この牛って生き物とてもおいしいですね!」


 血抜きするのが遅かったから多少臭いがするけどまぁまぁ美味しく焼けた。もともと表面がケルベロスの炎でだいぶ焼けてたけど…

 それにしてもイブとヴィクトリア、牛も知らなかったのか、これは本当に…


「これは本当に、私たちがいた世界とは別の世界に飛ばされてしまったのかもしれないね。」


 うお、俺が思ったことをヴィクトリアが言った、心が読めるのか?まさかな


「確かに私たちが知らなくてマテウスたちが知っていること、その逆もまた然り、どれも互い違ってます。ですが異世界に転移する魔法なんて聞いたことがありません…。」


「私たちが飛ばされる時、一瞬だが地面に魔方陣が展開されていた、あれは転移魔法の類の魔方陣だったな。丁度クラスの主席達が集まって学院会議をしていた時だったね、私とマルコを含めて主席7人全員の下に魔方陣が見えたから少なくとも7人はどこかに飛ばされているだろう。」


 ほーん


「そういえば俺とイブが出会ったとき魔法は7種類属性があるって言っていたな、イブ…は電気とか雷って感じかな?ヴィクトリアは何属性なんだ?」


 ヴィクトリアが答えようとしたがイブが声を張り上げて言ってきた


「魔法の属性は火、水、風、雷、地、無、光と7種類あって私の属性はマテウスの想像通り雷です。ただこの属性なんですが光属性だけ由緒正しい家柄しか発現しないんです。その稀有な属性を持っているのがアドラル魔法学院のトップ中のトップ、師匠なんです!」


 目をキラキラさせながら熱弁している、ヴィクトリアは恥ずかしそうにしているがなるほど、魔法学院の中でもトップの実力を持っているのか、そりゃあんなに強いわけだよ。


「ずっと気になってたんだがヴィクトリアのその服装、町の自警団のだよね。イブはこんな破廉恥な格好なのにもうしっかりとした職に就いているとはね。」


 イブの方を皆がじっと見る、俺の上着を1枚着ているだけだ。出会ったときは産まれた姿のままだったから大切な部分はしっかりと隠せているだけまだいいけど。


「マルコ、どんな趣味があろうと私は否定しないけどあまり周囲の人たちを困らせてはいけないよ…」


「ち、ちが…!趣味なんかではありません!転移されたとき服が消えたんです!師匠は服が消えなかったんですか?」


「確かに消えたけどもう二日前のことだろ?」


「えっ…私が転移されたのは今日の昼頃ですよ?」


 話を聞く限りどうやらこちらの世界に転移される時間にラグがあるみたいだな。

 二人とも困惑気味の顔をしている、ルカは話についていけず牛肉を食べるのに専念し始めた。


「転移されるのにタイムラグがある謎ねぇ…俺としては違う世界から転移されたのに言語が同じなのも気になるけどな。」


「そういえばそうですね、なんで言葉が通じているんでしょう…」


 あぁもう謎だらけで話にならない!

 ここで話をしあっても結局それは仮定に過ぎないしイブ達を転移させた張本人を探して聞かないと分からないなこれは。


「こんなところで話し合っても仕方ないし、そろそろ出発するか!」


 もう日が暮れ始めている、早いとこ森を抜けないと魔獣に怯えながら野宿することになってしまう。


「それはそうですがマテウス、あなたに着いて行っても森を抜けられる気がしてこないんですが…」


 泣きそう


「町へ行きたいのなら私が案内するよ。町の住人から獣の声がするから見てきてくれと依頼されてこの森に来たからね。」


 なるほど、ケルベロスのあの威嚇のおかげでヴィクトリアは来てくれたのか。

 それにしてもこの世界に来てまだ浅い人に牧場の隣町へ案内されるとは、俺の方向音痴も大概だな!


 こうしておれたちはケルベロスの残骸の始末(埋めただけ)と食事(牛肉だけ)をし終えてヴィクトリアに町まで案内してもらった。



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