プロローグ
連載第二作目。頑張ります!
アリス アリス 不思議のアリス
この国へやってきた
白兎を追って不思議の国へ
さあもう君は 後戻りできないよ
ここへ来たのは君なんだから
白兎のせいじゃない
アリス アリス ようこそ不思議の国へ
僕らは君を帰さない
トゥリリリリリリリ!
「う〜ん・・・・・・」
光珠は伸びをして目を覚ます。
今日は華の日曜日、いつも4時起き、寝不足のあたしは今日こそ思いっきり寝坊しようと考えていたのにどうやら4時の目覚ましをロックし忘れていたらしい。
「ん〜〜〜っ!!う、うるさい〜〜ッ!」
日本人にあるまじき地毛の金髪にカラコン無しの深いコバルトブルーの瞳の少女は起き上がり、ケータイを開いてアラームをとめる。
「何で消し忘れたんだろうあたし・・・」
私立中にいく自分としては我ながら情けない・・・
もう一度寝ようと横たわるが、この部屋の空気が蒸しているようでどうにも眠れない。
「しょうがないな〜。仕方ないし、目覚ましにでもお風呂入ろうかな・・・」
あたしはシェルピンクの甘ロリ系なネグリジェのままむっくり起き上がる。茶色に近い金髪にネグリジェの色が反発して、目に痛い。
「ううー」
あたしは、ピンク色の天蓋ベッドを抜け出すと、衣類をしまってある引き出しを探りおもむろにセラミックホワイトのフリルがたくさん付いたバルーン袖のブラウスと、明るいバチターブルーのエプロンドレスを引っ張り出した。
「この服似合わないと思うけどなー」
ぼやきながらバスルームに入る。
「今日はなんか気分がねー」
☆★☆
暫く後。バスルームからドライヤー音が聞こえたかと思うと、エプロンドレスを着た光珠がでてきた。
(今更ながら、光珠の容姿はとても可愛くて蒼い瞳や長くゆるパーマのかかった金髪が日本人離れしたくっきりとした顔立ちにぴったりと合っていた。足や腕も細く長く、どちらかというとアイドル級、エプロンドレスを着たら、さながら不思議の国のアリスのように見えた。)
「今日は外に出てみようかな」
朝日が綺麗だし、と付け足してあたしはフリルの付いたニーソをはいた。
玄関先で濃いコバルとブルーのヒールを履いて、あたしは外へ出る。
涼しくて紅い朝焼けが綺麗でとても気分がいい。
「そういえば、朝焼けが綺麗な日は雨が降るんだったよね」
一人で考える。名門私立中生のあたしは可愛い制服のためだけに入った学校でそんな無駄知識を学んでいた。って言うか、そのトリビアが小学生レベルなのが悲しいよね・・・
広い芝生の庭に生えた2、3メートルの桜の木の根元に腰掛けた。
「気持ちいい」
思ったことを呟いた。それからだんだん眠くなって――――
目が覚めたのは、眠ってからどれくらいたってからだったろう。日もなかなかの高さに上がり、もう9時ごろというところかな?
「寝過ごした・・・」
「おはよう、光珠」
ガーンと思っているとふいに横から声がした。
「ん?お兄ちゃん」
いたのはあたしの兄、白兎。そんな名前とは反対に真っ黒い髪にローアンバーの瞳のごくありふれた容姿の16歳。
「朝から昼寝?光珠にしては珍しいね」
「え、それは昼寝って言わないでしょ?」
と、そのとき。
「うわあ、ヤバイです!時間が!間に合わないいい!!」
「・・・・・は?」
そんな叫び声と共にあたしの目の前を白い物体が横切る。
「・・・・・・うん?」
よくよく冷静に考えてみれば今のは少年で、えーとなに、兎耳が生えてた。
・・・・え?
「コスプレェェェェェェッッッッ―――?!」
絶叫!!!いやいやだって年下大好きのあたしにとって今のはレアレア天下のコスプレ少年様だからだよ――――!!
いますぐに、あの子に会いたい。そんな気持ちでその子を追いかけた。
「あちょっと、光珠!?」
お兄ちゃんの叫びも耳に届かず。あたしは追いかけて、追いかけて、
森の中、道に迷った。
「え・・・・・・・・?」
サァァ――ッと血が引く。
「う、嘘」
周りを見回しても、木、木、木。
「いやぁぁぁー!」
「ちょっと、少年君!!どこどこ?えーうそ!あたし極度の方向音痴なのにー!」
パニックパニック、あたしはめまぐるしく首を振り回して少年を探す。うん、眩暈がしてきた。方向もさっぱりわかんなくなったし。
そのとき。
ひょこ。
木の陰から、白っぽい、耳が見えた。
「しょうね――――ん!!!!」
叫んだ!
そしてそのうさ耳少年を追おうと2、3歩踏み出した途端、
ヒュ―――――――――ン
アリスは、穴に、落っこちましたとさ★
「イッヤァァァァァァァァァ――――――!!」
光珠だけを紹介いたします。
莉出光珠
13歳
ガーリー物が好きで日本人のくせに金髪蒼眼の少女。
ピンクの服を着ると目に痛い人になる。
ぐうたらですがどうぞ読んでやってください・・・