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幻想
ずっとずっとあなたのそばにいたい
私のそばで笑っていて欲しい
そう願うのにあなたは私の手をするりとすり抜けていく
どんなに手を伸ばしたってあなたの影すらもつかめないまま
時間だけが過ぎ去っていく
どんなに願っても、どんなに叫んでも、あなたの歩みを止めることは叶わなくて
どんどんあなたとの距離が空いていくのを泣きながら見ていることしかできない
この想いが届かないことも、私の声が聞こえていないのもわかってる
それでも想い続けることくらいは許してほしい
決して伝えないから。あなたの負担にはならないから
だけど一度だけでいい、一瞬だけでいいから私の方を、私のことを見て。その目に映して。
いくら願っても運命は残酷なのね・・・
足元が崩れるように世界が暗転していく
ーあなたに伸ばした手は空を切って、私は一人、闇に向かって真っ逆さまに落ちていくーー
目を開けるとカーテンの隙間から光が零れている
今日もまた報われない想いを胸に叶わない夢に焦がれていく