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トモレンカグl(仮)  作者: 春咲桜花
1/1

プロローグ

まえがきって何を書けばいいのかわからない初心者です(笑)

 バスに揺られること一時間。俺、星野智哉ほしのともやは胸が高鳴っていた。

 それは何故かと言うと、恋華(れんか)がこの街に帰ってくるからだ。

 あいつとは家が隣同士で、子供の頃からよく一緒に遊んでいた。それはもう、本当に楽しい毎日だった。まぁ、たまに喧嘩もしたけど。

だけどある日、恋華のお父さんの仕事の都合で、引っ越してしまい、それから疎遠になってしまっていた。

 それが先週、手紙が送られてきた。

あれから八年という月日が経って、ひさしぶりに恋華逢えることが嬉しくて、楽しみだった。だから俺は、学校が終わってすぐに駅まで迎えに行くことにした。

 バスは駅前に到着し、少し急ぎ気味にバスを降りる。

 わくわくしながら駅の改札口に向かう途中、仕事帰りのサラリーマンや、学校帰りの学生たちの合間を縫っていくと、

 キ―――――――――――ン。

「うわっ!?」

 突然の耳鳴りに驚き、耳を押さえる。

 耳鳴りが徐々に治まっていくと同時に、さっきまで晴れていた青空が暗くなっていくその光景を見て、目を疑った。

「なんだ……これは……」

 空が薄暗い紫に染まり、さっきまで大勢の人がいたのに、今は誰もいない……?

「ヒヒッ! みぃ~つけたぁ~」

「!?」

 後ろから不気味な笑い声が聞こえ、慌てて後ろを振り向く。そこには、不気味な笑を浮かべる黒いスーツを着た男が、いつの間にか立っていた。

「ヒヒヒッ! 探したぜぇ? さぁ、邪魔が入る前にオレ様と来てもらおうか」

 男は俺に手を差し伸べてくる。しかし俺は、一歩下がり、少しずつ距離を取っていく。

「なんだぁ? もしかしてお前、怯えているのかぁ~? ヒヒヒッ!」

「だ、誰なんだよお前! どう見ても怪しいヤツだろ。お前みたいな怪しいヤツに、誰がヒョコヒョコとついて行くかよ!」

「ヒヒヒ……ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

男は顔を手で覆い、空を見上げながら再び不気味な笑い声を上げる。

「いいねぇ、威勢がいい。そしてオレ様に歯向かう愚かさ。ヒヒヒッ!」

 指の間から除く男の目つきが鋭くなる。その目を見た瞬間、身体が震え上がった。やばい、これ以上こいつに関わるのは危険だと、何かが訴えかけてくる!

「ふふん。そうだな、少し人間で遊んでみるのも悪くない。それに、お前が本物かも確かめたい」

 くそっ! こいつはさっきから何を言っているんだ!? それに早くここから逃げないと……。

「どうした、人間? オレ様にビビッているのかなぁ? 死にたくなかったら、オレ様と戦え。あぁ、逃げ出しても構わねぇぜ~? ヒヒヒッ!」

 どうする!? 早く、早く逃げないと殺されてしまう!

「あ、生憎……俺はこういう場面は慣れているんでね。お前なんか怖くねーよ!」

 あれ……? なんで俺、こんなこと言ってんだ……? こんな場面に出くわしたことないはずなのに。

「ほぅ……ヒヒ、実に人間は愚かな生き物だぁ。ヒッヒッヒッ!」

 ニヤリ、と男は笑い、空を見上げ、両手を上に広げる。


「ワオオオォォォォォーーーーーン!!!」

 

男が犬の遠吠えのように吠えた刹那、男の身体に異変が起こった。

 口は犬のように出っ張り、白い牙がちらついている。尖った耳に鋭い眼と鋭く伸びた爪。黒いスーツはビリビリに破け、全身裸。身体はすべて灰色の毛で覆われていた。だけど何故か俺は、その姿をどこかで見た事がある気がする……どこでだ?

「ヒヒヒッ! 驚いたかぃ? これが本当のオレ様の姿さ!」

 化け物と化した男は、俺を睨みつけて言った。

 やばい、これはマジでやばい。どういう原理で、男が化け物になったかなんてわからない。というか、こいつは一体何なんだ!? 人が化け物になるなんて、これじゃアニメやゲームの世界じゃないか!

「あっ、あ……」

「おやおやぁ? さっきの威勢はどこにいったのかなぁ? オレ様と遊んでもらうぜぇ~? ヒャッヒャッヒャッ!」

「くっ! うぅっ!!」

 震える足をやっとの思いで動かし、逃げようと振り返る。が、その際に足がもつれてしまう。バランスを崩しそうになるのをなんとか踏みとどまり、ほっとする間もなく、必死で化け物から逃げ出した。

 後ろの方から化け物の笑い声が聞こえてくる。だけど、追いかけてくる様子はない。

 誰もいなくなった町。不気味な空。何もかもが、変わってしまった。

早く、一秒でも早く! あいつから逃げないといけない! 追いつかれないように、俺は必死に走り出した。



「はぁ……はぁ……はぁ……っ!」

 どれくらい走っただろう。めちゃくちゃ息きが上がり、足が棒のようになっている。空は相変わらず不気味な色をしている。

俺は今、ちょうど近くにあった公園のベンチに座っている。

化け物は追ってきている様子はない。一先ずの危機は去った、ってことでいいんだろうか?

 だけど、考えれば考えるほどわからないことだらけだ。この平和だった町で、あんな出来事が起こるなんていままでなかった。どういうことなんだ? なにが起こっているんだ?

「あーもう、わけわかんねー……」

 俺は顔を後ろに仰け反り、深呼吸をして徐々に息を整えていく。未だに心臓の鼓動は大きい。走りまくったこともあるけど、やっぱり殺されるかもしれないっていう恐怖感が大きいからだろうけど。

 俺は深くため息をつく。化け物に追いかけられるようなイベント、アニメやゲームの世界だけでいいな……。

「ヒヒヒッ! みぃ~つけたぁ~」

「なっ!?」

 こ、この声は……間違いなく、あの化け物の声だ!

「ヒヒヒッ! 追いかけっこはおしまいかぃ?」

 慌てて顔を前に向けると、そこには二メートルくらいでかくなった化け物が、ゆっくりと俺に近づいてきていた。 

「なんで……撒いたと、思ったのにっ!」

「んん? 何を言ってるだぁ~人間。お前の臭いはわかりやすいからな、どうということはないぜぇ? ヒャヒャヒャヒャッ!」

 化け物は白い牙をムキ出して、不気味に笑う。

 俺は立ち上がろうとしたが、足に力が入らない! くそっ! 早く逃げないといけないのに!

「怯えることたぁね~よ。オレ様が楽に殺してやるからなぁ!」

 叫ぶと同時に、化け物が襲い掛かってきた!

「グルルァァァァ!!」

 シュッ!

 耳元で、空を斬る音がした。化け物の腕が、顔のすぐ横にあった。

「ヒヒヒッ!」

 くそっ! さっきから足を動かそうとしているのに、重りをつけられみたいに動かない!

 怖い、嫌だ……死にたくない!

「さぁ、オレ様と遊ぼうぜぇ~?」

 化け物はそう言うと、俺の腕を掴む。

「何を―――」

 する気だ、と言う前に、化け物は俺の腕を掴む。そのまま身体ごと軽々と上に持ち上げられ、重力と化け物の振り下ろす力で、背中から地面に叩きつけられた。全身に何ともいえない激痛が走る。

「―――ぁッ!」

 背中が圧迫される。ちょ、マジ冗談抜きでいてぇっ! しかも、い……息ができなッ!

「ヒャハハハッ! やはり人間は脆いなぁ。ヒヒヒ……」

 仰向けで倒れ、痛みにもがいている俺を見下ろし、化け物は右手の鋭く伸びた爪を俺に向け、腕を大きく振り上げた。まずい、このままじゃ本当に殺されてしまう! 

「アハハハハッ! 死ねぇぇえええ!!」

「う……うわぁぁああああああああ!!」

 終わった、俺の人生。これで終わるのか? 嫌だ、こんな終わり方……。まだ俺は、あいつと再開するまでは、死ぬわけにはいかない……。

 俺はまだ、こんなところで―――。

「死ぬわけにはいかねーんだぁぁぁあああああっ!!」

 その瞬間、


 ドゴォォォォォォォォォンッ!!


「グハアアアアアアアアァァァァッ!!」

 爆発音が聞こえ、何事かと目を開けて上体を起こしてみると、化け物が数メートル吹っ飛んでいた。

 なんだ、今の音……なにが起こった?

「この力は……っ! 貴様、妖呪(フィリマスペル)が使えるのか?」

 ふぃりま、すぺる……? なんの事を言っているんだあの化け物は……?

「ヒヒ……ヒッヒッヒッ! そうか、目覚めかけているのか……これでお前が本物だと判明したぞ。おもしれぇ、お前とはもっと遊べそうだなぁ、人間っ!」

化け物はタンッ! と地面を蹴り、俺に近づいてくる! まずい、今度こそ本当に殺される! そう思った瞬間、俺の目の前に人影が現れた。

突然の乱入者に、化け物は途中で止まり、その人物を睨みつける。

「グルルルゥゥ……誰だ! オレ様の邪魔をするやつは!?」

 化け物は怒りを露にしている。俺の目の前に現れた人物は、

「怪我はない? 智夜」

 易しい口調でそう言って、俺の名前を呼んだ。その声は女の子のものだった。というか、何故俺の名前を知っているんだ、この人?

「大丈夫です……って、危ないですよ!」

  俺は目の前に現れた女の子を心配してそう言うと、

「心配してくれてありがとう。私なら大丈夫、すぐに終わらせるから。だから智夜はここを離れないでね」

 女の子は肩越しに振り返り、俺にそう言った。横顔だったけど、やっぱり俺は彼女のことは知らない。それに、こんな可愛い子が知り合いにはいない。

「チッ、よく見りゃあん時のクソガキじゃねぇか。生きていやがったのか? 死に底ないがぁ」

 心底嫌そうに言う化け物に、女の子は睨み返しながら腰に下げている刀を抜く。

「うるさいな。不意をつかれたら誰だって反撃できないわよ。もうあんな失態はしないわ。それにこれ以上、智夜を危険な目にあわせられない。ここであんたを浄化する!」

「ハンッ! やれるものならやってみろやぁ!」

「上等じゃない。やってやるわよ!」

 女の子が右手を前にかざすと、刀みたいな物が青白い光と共に現れた。鞘から刀を抜き、刃先を化け物に向ける。

 刀には詳しくないんだけど、あの刀、刀身がまるで桜の花みたいなピンク色をしていて、とても綺麗だ。

「ヒッヒッヒッ! いいぜぇ? また遊んでやるよ!」

「行くわよ! はぁぁぁあああああ!!」

 女の子が刀を構え、地面を蹴った瞬間、すごい速さで化け物に向かって斬りかかる! 

 が、化け物に素早く何度も切りつけても、女の子の方がどこか苦痛の表情をしている……?

 化け物は女の子の動きが解っているかのように、素早い動きと、鋭く伸びた爪で易々とその斬撃を受け流していた。

「おいおい、その程度かぁ~? もっと本気を出してくれよぉ、ヒヒヒッ!」

 化け物はニヤリ、と余裕の笑みを浮かべている。

しばらく公園内を動き回りながら、女の子と化け物の攻防が続けられた。

 そして、女の子が刀を化け物に向けて一振りし、それを化け物が爪でガードした瞬間に、女の子は後ろに下がって距離を取る。

「チッ! やはり、なかなかやるわね」

「ヒャヒャヒャッ! 弱っている貴様の攻撃など、容易く躱せるぜぇ? んんっ~、このまま雑魚になっちまったクソガキを弄ぶのもいいが、今回は引き揚げてやるよぉ。本調子のお前と戦ったほうが、楽しめそうだからなぁ、ヒヒヒッ!」

 化け物が言う通りだったのか、女の子は「チッ」と、小さく舌打ちをして、焦っているような表情をしていた。

「そういって、あんたらのボスに智夜のことを伝えるのでしょう?」

 女の子が化け物を睨みつけながら言うと、ヤツは不気味に笑って答えた。

「クヒヒッ! それが本来のオレ様の仕事だがなぁ、オレ様的にはそれじゃつまんねーんだよ。だからぁ、お前が本調子に戻るまで、保留にしてやってもいいぜぇ?」

「……どういうつもり?」

「はーあ、これだからガキは嫌いだ。んなの決まってんだろ。弱いお前を殺しても、オレ様はおもしろくない。それによぉ、そこの人間が(フィリマ)(スペル)を使いこなせれば、もっと楽しめそうだしなぁ。つーわけで、帰らせてもらう」

 そう言って、化け物は後ろを見ないでフェンスを飛び越え、公園から消えていった。それと同時に、さっきまで不気味な空がオレンジ色に戻っていく。たぶん、消えていた人たちも今頃元に戻っているだろう。

 女の子は悔しそうな表情で、化け物が消えていったほうを睨みつけていた。

 彼女が刀を鞘に仕舞うと、刀が光の粒になって消えていった。

 倒れている俺を見ながら、ニッコリと笑う。近寄ってきて、女の子の容姿が徐々にわかってくる。

 綺麗な紫の瞳に、藍色の肩まで伸びた髪。白い肌をしていて―――とにかく可愛い女の子だ。

 助けてくれたお礼、言わないと。そう思って俺は身体がまだ痛むのを我慢して立ち上がろうとするが、足にうまく力が入らずに前のめりに倒れてしまう。あ、ダメだ……。意識が……。

 女の子が慌てた様子で駆け寄ってくるが、そこで俺は意識を失ってしまった。


初めまして。これに興味をもって読んでくれた方、ありがとうございます。ほとんど自己流なので、言葉の表現がおかしかったりしたらすいません!

読み直して修正はしたので大丈夫だと思いますたぶん・・・

投稿とかすること自体、初めてなので、感想とかきけたらうれしいです。

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