得した気分
あれから数ヶ月がたったある日のこと、友達の西山さんとあの大手スーパーが経営するショッピングセンターに行った時の出来事。そのショッピングセンターには、いろんなお店が入っているんだけど、その大手スーパーもちゃんとお店を構えている。
西山さんと二人でぶらぶらすることしばらく、私がふとあることを思い出して、スーパー2階の男性衣料を見に行くことにしたんだけど、そこで運悪くお友達をつれた北条さんと合ってしまった。
「あら南さん、今日はどうしたのこんなところで」
そうでしょう、私が男性の衣料品を見ているのは普通に考えてもおかしい、
「主人の服をちょっと見たくって」
「そうなの」
「ところで北条さんはどうして、ここへ?」
「あ・・私?そこのサロンでお茶でも・・・」
そういうと彼女が指をさした。そこには、見たことのない入り口があった。
「サロン?」
「このカードでサロンでお茶が飲めるのよ。しかも無料で」
彼女が見せたのはパオンカードなんだけど、何か色が私のと違った。ゴールドだった。不思議がる私を尻目に、見たことのない入り口へ入っていくと店員さんが出てきて、彼女はパオンカードを出した。すると、隣の自動ドアが開き彼女は案内されて中に入って行った。
パオンカードは私も持っている、すかさず私は、そのカードを手に、そのサロンとやらへ行くと
「お客様のカードでは入れません。」
「え・・そうなの?」
「ゴールドカードか、オーナーズカードでしか入れません」
「そうですか・・・」
と私は泣く泣くパオンカードをしまおうとした時、オーナーズカードが財布から落ちて、店員の前に転がった。するとそのカードを見た店員は
「このカードでしたら中には入れます」
こうして私は西山さんと二人で中に入って行った。すると、入ってきた私を見て驚いたのは北条さん
「どうやって?」
「私もカードがあったもんで」
なんとなく得をした気分だった。