お別れなのですか………?
まぁ、
まぁまぁ、
まぁまぁまぁ、
一旦落ち着いて…………、
えっと、何でしたっけ…………。
ああ、
そうそう、
確か、お嬢様の元に家庭教師がいらっしゃるというお話で……した?
あ、はいはい、そういう……そういう事なのですか?
私では力不足……と?
ちょっと待って下さい?
お嬢様?何故です?
私では物足りないのですか?
そうなのですか?
私はお嬢様のお力になれなくて?
……本当なのですか?
それは本当なのですか?
だったら私は、
「お嬢様!」
私は上半身を起き上がらせた。
「うわっ!びっくりした!」
その突然の私の機械的な運動にお嬢様はびっくりしたのであろう。目が大きく開いている。
「今まで…………今まで長い間でしたが、ふつつかなこの身を使って頂て、私は本当に幸せでした……。」
「?」
「これからも……お嬢様には元気でいただきたいと、心から願っています。今まで本当にありがとうございました。」
「ちょっと待って?」
「さようなら……お嬢様。」
「待ちなさい!」
「お元気で…………。」
「待って!千弦!行かないで!」
そう、私はもうお嬢様には必要ないのだ……、だから変わりを呼んだのであろう……。だから…………
「「「待ちなさい!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
…………と?
今…………と?
今、なんと?
「お願い…………千弦…………、行かないで…………。」
お嬢様は私の体を後ろから……、強く抱きしめていたのである。
……?
「お嬢様?」
「千弦……、何で行こうとするの?」
「?、お嬢様は私がもう役に立たないので変わりとなる家庭教師を呼んだのでは?」
「違うわ!私はそこまで言ってないじゃないの!違うわよ!…………大体貴方を捨てるわけないじゃないの!」
「!?、そうなのですか!?」
「そうよ!貴方を追い出すなんて……、何があってもあり得ないじゃない!」
お嬢様の声は、多少の水分を含んでいるように感じられた。
「お嬢様?泣いているのですか……?」
「な……何よぅ…………、急に「出ていく」なんて言われたら…………びっくりするじゃないのぉ……!」
「お嬢様、」
申し訳ありません。
「…………!千弦……、」
私はお嬢様を落ち着かせるため…………、その小さくて弱々しく震えている体を…………、そっと、優しく抱きしめた。
「私が勝手な勘違いをして…………、申し訳ありません…………。」
「うぅ…………、千弦ぅ…………。」
お嬢様は一層強く…………、もう離さんとせんばかりに、私の体を抱きしめた。そう、痛いくらいに。
「お嬢様…………。」
私も負けんとばかりに……、お嬢様の体を抱きしめ返した。
「…………。もう、」
「?」
「もう二度と……、もう二度と「出ていく」なんて言わないで……、絶対。」
「…………はい。」
「本当に?」
「はい、この東千弦。この先何があってもお嬢様に「出ていく」などと言う事はありません。」
「絶対よ…………?」
「はい、絶対。」
その返事を聞いて安心したのか、お嬢様は泣き疲れてその場に寝てしまった。
「お嬢様…………。」
私はその寝顔をそっとなでる、
お嬢様はそれに反応してか、体を僅かに震わせる。
「私の取り乱しを、どうかお許し下さい。」
皆さんお疲れ様でした。作者です。
いわゆる「行為」を書くというのは、中々面白くて、それでいて中々難しいですね。(読む分には全然困らない…………いや楽しいのですが…………。)不快に思われたら、申し訳ありません。
それでは次回、出来るだけ(早くなるように)頑張ります!