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第96話
ルグセンラール王国は、マウンダイス公爵領とは近くにある。マウンダイス公爵領は、つい出てきたばかりも同然の距離にあり、すぐに戻ることができた。兵をつれて1週間ほど、侵攻をしているルグセンラール王国軍と会敵することとなった。
小高い丘の上に陣を張っている王国軍に対して、ルイス方はその下に陣を張った。
「どうするおつもりですか」
ルイスは本営となっている幕屋の中で会議を開いた。ルイスが分遣隊長、団長補佐が分遣副隊長、団員代表は会議の議員となっていた。相手もどうやら同規模の軍勢を率いているようだ。ルイスの指揮が試されるなか、ルイスはあることを決断した。
「騎士らしく、と思っていたが、相手が有利な位置を占めている。まずは下すことに力を入れよう」
「して、それはどうやって」
分遣副隊長がルイスへと聞いた。ルイスは丘の周辺の地図を示しつつ、部下へとしてほしい行動とともに説明をした。