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我が帝国は、成れり。  作者: 尚文産商堂
第3章「敵国攻略」
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第95話

 ルイスたちは進軍を止めていた。それは、すでにホーンラル公爵が王都へと入ったことを知らされたからだ。

「これからどうしましょうか」

 野営しているルイスたちは、マウンダイス公爵を中心とした緊急会議を開いた。当然、議題はこれから本当に進んでいくのかどうかである。進軍するにしても、ホーンラル公爵が新たな王となった後の話になるだろうし、これから撤収したとしても、平定を目的としてホーンラル公爵が来るのは間違いない。

「どうすべきか……」

 腕組みをしつつ、マウンダイス公爵は悩んでいる。その時、だれかが外で騒いでいる声がした。

「敵襲かっ」

 まずはそれを疑った。近くにある武器を手に取り、速やかに戦闘態勢を整える。だが、それは敵襲ではなく、伝令であった。

「伝令はいります」

 会議をしている本営の見張りが中にいるマウンダイス公爵たちに声をかけた。武器はとりあえずすぐ近くに置くこととして、警戒態勢を解いた。

「入れ」

 公爵の言葉で、伝令が駆け込んでくる。息も絶え絶えではあるが、それでも伝令はその役目を果たそうと努力をした。

「ルグセンラール王国が、領土へと攻め入りました」

「そうか、やはりきたか……」

 公爵は腕組みをし、やはり考える。ルイスへと目をやると、再び目をそらす。熟考して結論を出した。

「ルイス、兵を分ける。君がいけ。こちらの指揮は自分が執る」

「分かりました、すぐに編成します」

 部下として、騎士団のうち団長補佐1名、団員代表2名を付けることとなった。これに騎士団員を加え、一個大隊規模となる。ルイスを大隊長としたうえで、団長補佐を副大隊長、団員代表はそれぞれ団長補佐とともに中隊を率いることとなった。

「では、出発します。速やかに敵を掃討します」

「そうだルイス」

 公爵は、報告しに来て本営を出ようとしているルイスへと声をかけた。

「いかがしましたか」

「ルグセンラール王国はルイスの実力ならば攻め滅ぼすこともできるだろう。時間はたくさんある。無理せずに、和睦を結ぶもよし。しかし君が滅ぼすべきだと決めた場合には、そうしろ。どうせホーンラル公爵が王都を攻略しただろうからな」

 それは、今や聞かなくても分かることだ。そして、そうなれば次の疑問はただひとつ。ホーンラル公爵が果たして王になるのか。これだけだった。

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