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我が帝国は、成れり。  作者: 尚文産商堂
第4部「戦国時代」:第1章「大抜擢」

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第90話

「公爵閣下、如何しましたか」

 ルイスは3人だけということもあって、今度は公爵の目の前の席に座った。ふぅむ、と言いつつも公爵がルイスへと話しかける。そして、何やら鞘に入った剣を渡した。

「本来ならば槍を渡したいところであったんだが、加工ができなくてな」

 ルイスへと騎士団長が手渡した。

「貴様が一人前になった時に渡すことにしようと、話し合っていたんだ。どうだ」

 ルイスは早速剣を鞘から抜いた。少し切っ先が湾曲している。刃紋は刃先に向かって背と平行に入っている。何より軽い。まるで鳥の羽のようだ。

「この材質は」

「分からん。少なくとも200年前にはあったそうだがな。イザアワ王国からの輸入品を加工して作った。もっと昔の遺跡からも見つかっているそうだ」

 何はともあれ、と公爵が言いつつ、剣について説明を始めた。

「この剣は、私が特別な鍛冶職人に造らせたものだ。本来であれば、代々の騎士団長のみに授けるのであるが、ルイスは特別だ。副騎士団長として、将来の騎士団長となる人物だからな」

「ありがとうございます。国王となられるための力添えを、微力ながらさせていただきます」

 ルイスは、剣を鞘へと仕舞いなおし、それから剣を水平に保ちつつ立ち上がった。それから一礼して、正式にこの剣の所有者となった。この剣は、その柄に牛革を使っており、そのためにルイスの牛革剣と称されることになるが、それは後の話。

「我々の目標は、さきほどの会議で話し合った通りだ。だが、その先はどうするか」

 公爵が、漫然とした質問をルイスへとした。どうやらよくする質問の一つのようで、騎士団長は微動だに動かない。

「先、ですか」

 ルイスは剣を腰に帯びるために少しばかり触っていた。しつつ、公爵の質問に答える。

「国王になりそれが弥栄栄えることを祈願しますが……」

「そうだな、それが模範解答だろうな」

 それからすぐに、下がれと命ぜられたため、ルイスはその答えを聞くことができず、公爵の部屋から出ていくこととなった。

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