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我が帝国は、成れり。  作者: 尚文産商堂
第5章「戴冠式」
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第61話

 ルイスとエンディケールが喫茶店にいると、使者がやってきた。マウンダイス公爵からと名乗ると、二人とも来てほしいとのことだった。

「どのようなご用件なのでしょうか」

 エンディケールが使者に尋ねる。服装は、伝令兵のものであるが、左胸にはマウンダイス公爵の紋章であるシールドに赤ライオンが描かれている。それをもって、2人は安心してはいた。

「敢闘団員として昇格するにあたり、2、3お話ししたいことがあるとのことです」

「行くしかないようですね」

 すでにルイスたちは立ち上がっていた。ルイスがエンディケールに目線を送りつつ言うと、エンディケールはただうなづいた。


 公爵の邸宅では、3人の公爵が揃っていた。そして、エンディケールの父親であるエンディケール男爵もいる。

「敢闘団昇格おめでとう。まずは、それを言うこととしよう」

 玄関でなにを言われるのかと思ったら、そんなことだった。拍子抜けした次の瞬間、ルイスへと刀の先が向けられる。別の公爵が、エンディケールへも向けた。とっさにルイスは右に、エンディケールは左に避ける。

「なっ」

「うむ、合格だ」

 何が何やら分からない。そんなルイスたちにホーンラル公爵が説明をした。

「敢闘団は爵位を有する。その有爵者としてふさわしいかどうかを、これで確認をしているのだ。一度事があれば、陛下をお守りする。それが我々の存在意義だからな」

「ゆえに、新たに敢闘団員となるものには、その心掛けとして、初めにこのように刀を向けることとなる。無論、不合格であったとしても敢闘団員にはなれる。だが、より上を目指すのであれば、ここで合格しなければならない」

 マウンダイス公爵が、後ろからゆっくりと歩いてくる。そして、ルイスとエンディケールの肩をつかみ、それから身に寄せて、抱きしめた。

「貴殿らは、我らの子同然。男爵共々、守り抜いてやろう」

 それが何を意味するのか、今のルイスたちには早かった。だが、遠からず将来、それが分かるようになる。

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