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第52話
1週間後、そしてさらに4日後に、ルイスは王都へやってきた。そして、勇士会館に泊ろうとしたところ、建物に入る前に呼び止められる。
「マウンダイス公爵閣下」
お辞儀をして公爵を見るルイスは、なぜ彼がここにいるのかを推し量っているようだった。
「先王が崩御して以来、この町から明るさが消えてしまってね。ふと、昔なじみに会いたくなったのだよ」
馬を勇士会館脇にある馬屋へとつなげてきたため、若干遅れて公爵の元へとやってきたフルリオは、最敬礼で公爵に挨拶をした。
「公爵閣下、お久しぶりでございます」
「ああ、確かフルリオと言っていたな。久しいな」
公爵がそう答え、すぐにルイスへと顔を向けなおす。
「どうだろうか、勇士会館ではなく、私のところへ来るというのは」
「よろしいのでしょうか」
「ああ、どうせ部屋は余っている。馬はあとでこちらから手を回してやろう」
「ありがとうございます。それではしばらく逗留させていただきます」
そういって、ルイスとフルリオは、公爵についていくこととなった。