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我が帝国は、成れり。  作者: 尚文産商堂
第3章「王の死去」
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第51話

 早馬を飛ばすと、不眠不休で2日でついた。途中、馬を変える時間や、食事の時間を含めてそれである。フルリオが温泉街へと駆け込んできた頃には、ルイスは準備を整えていた。役場において、フルリオはルイスや他のメンバーに対して、受け取った書状や口告人としての役目を果たした。


「相分かった。それではこれから向かうとしよう」

 ルイスが執務机の向こう側で座ったままそういうと、周りを見回し、ランゲルスに目を向ける。

「すまないが、居ない間の手続きをしてもらえるかな」

「ええ、いいわよ」

 今は、幼馴染同士しかいない。本来ならば怒られるような口調であったとしても、彼らだけは許されていた。

 ランゲルスは、ルイスの妻として、ここで名代となり、一定の権限を行使することが認められていた。その権限は、全てが領地内に限られていた。そして女には、他の領地へ行く際の名代となることができなかった。今回、フルリオが行ったのも、それが理由だ。

「では頼む。布告は後で出すことにしよう。1ヶ月後に国葬であったな」

「そうだ。布告から1か月後。今日から数えると28日後だ」

 フルリオの言葉に、ならばもう少しゆっくりできるな、とルイスはつぶやいた。今すぐ行くとなると、準備していたかのように取られかねず、後後不利になると踏んだのだ。

「よし」

 ルイスは何か決めたようだ。

「1週間後、出発する。僕とあとは随行員としてフルリオの2人でだ。馬をそれまでに準備していてほしい。フルリオの分の2人分だ」

「了解」

 シュトールが返事をする。すぐ横にはエルラもいた。この温泉街を作り上げてきたのは、設計士のエルラと建築現場監督として活動しているシュトールである。ゆえに、ルイスはさらに二人に対して話した。

「シュトールとエルラには、別の依頼をしたい」

「なになに?」

 エルラがきく。

「今の源泉では、この町全域の湯量が足りなくなる。現に、今のままの拡張計画では、どうにも足りなくなるという予想があっただろ。それを回避するために、新しい源泉を探してほしい。国葬儀とおそらく即位儀をまとめてするだろうから、時間はある」

「了解したよ」

 エルラが答え、シュトールがうなづいた。

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