第40話
「では、カラ・リンド男爵より述べられた3点に対し、ルイス・プロークグナートル勇士は何か申し開きはないか」
「はい、これより述べます」
立ち上がったのはいいが、何を言えばいいのかわからないルイスはそのまま固まってしまう。すぐよこから、メモが回ってきた。クリスのメモのようだ。かなり汚い字ではあるが読めなくはない。
「えと、私はここで代理人を指名したいと思います」
「誰か、その代理人の名前を述べなさい」
国王は、ルイスの言葉に、まるで台本通りだと言わんばかりの口調ですぐに答えた。
「はい、マウンダイス公爵閣下です。陛下の承認があれば、代理人として今回の採決の弁論を行っていただきます」
「マウンダイス公爵、それで相違ないか」
国王はマウンダイス公爵へ尋ねる。すぐに椅子から立ち上がると公爵は堂々と述べた。
「はい陛下。私はこの度、自らの意思により、ルイス勇士への申し開きについての弁論を行いたいと思います」
「よろしい。ならば許可しよう。ルイス勇士の代理人として、マウンダイス公爵の弁論を認める。では、さっそく始めたまえ」
「はい、陛下」
もはや準備してきたとしか考えられない文章を、公爵は述べはじめた。




