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我が帝国は、成れり。  作者: 尚文産商堂
第2章「才能の開花」
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第3話

 戦場へは、脱走兵が出ないように見張りがつけられつつ、1週間かけて到達した。かなり激しい戦いになっているようで、高台に置かれている徴集兵用の幕屋は、ほとんど誰もいなかった。

 だが、その幕屋に、一人の公爵が待っていた。

「ようこそ、この戦場へ」

 その男性公爵は、ルイスたちが幕屋の中に入りきらないと見るや否や、全員を一度外へと出した。それから、演説の続きをはじめる。

「改めて、ようこそこの戦場へ。私はマウンダイス公爵だ。この戦争の司令官をしている。さて、君たちには期待をしている。なにせ、我々の軍は劣勢に立たされている。だが、必ずや君たちのおかげでこの戦争に勝利ができるだろう」

 演説慣れしているようで、どうやら、徴集兵が来るたびに、似たような話をしているようだ。徴集兵の方はと言えば、一応聞いているふりはしている。だが、誰もがここで死にたくはないと思っているので、士気はかなり低かった。その中で、ルイスだけが違っていた。

「よし、ではこの中で組を作ってもらう。ここにいる人らで5人組を作ってもらい、そのうちの一人が組長となってもらう。敢闘団、勇士団の団員がなるべきなのだが、人数が足りないのでな」

 敢闘団、勇士団というのは、騎士階級の最下層の団である。敢闘団の方が上で、敢闘団に入団すると同時に、準爵という最下位の爵位を授かる。彼らは戦時には国王の名のもとで戦闘を行う専門集団である。ゆえに、このような時には、徴集兵の上に立ち、指揮を執ることになる。

 一方で、最前線で戦闘を行うために、死亡率が最も高いことになる。そのために、このように人員欠乏となりやすいのだ。


 ルイスは、公爵が言うやすぐに、近くにいたランゲルス、エルラ、シュトール、クリスに声をかける。

「な、組になろう」

「他の人よりも、生き延びれそうだしね」

 エルラがすぐに答える。

「よし、じゃあ、俺らで組な」

 そして、組長としては、誰も迷いなくルイスを選んだ。そのことを公爵へ奉告すると、うむと公爵はうなづいた。ただ、それだけだった。

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