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第38話
翌日、ルイスたちは正装して、勢ぞろいで鳥の広間にいた。机がコの字型に並んでおり、ルイスたちが座ったのは入口側の方だ。向こうとつながっている線には国王が座り、それぞれ一番近いところに男爵とルイスが座った。
「これで全員かな」
国王がそう宣言をすると、衛兵によりドアが開かられ、マウンダイス公爵が正装して現れた。
「国王陛下、本日はルイス・プロープグナートルへの援助を行いたいと思います」
「ふむ、そうだな。ルイスはこのような裁判は初めてだろうし、助太刀を許可しよう」
国王は、あっさりと了承した。そして、許可を得てルイスより国王側へと席が用意され、そこに公爵は腰かける。
「緊張しているかい」
公爵はすぐにルイスに聞く。
「はい、とても」
ルイスは小声で答える。なによりも、こういう場は初めてだ。ルイスの横にいるクリスもがちがちに緊張している。
「なに、心配することはない。とりあえず、君らの温泉街を守り抜こう」
向こうに対面している男爵らは、よもやルイスが公爵とつながりがあるとは思わなかったようで、狼狽しているように見えた。