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第27話
「いいか。男なら一度はでかい花火を打ち上げたいと思うだろう。お前にはそれができる。だがな、ダメだと思ったら、すぐに帰ってこい。世界中の誰もお前を助けないと思った時に、俺らは助けてやる」
――スミス・プロープグナートル
「ここが任拠地だ」
ルイスたちがたどり着いたのは、硫黄のにおいがツンと鼻を突く、はげ山の一角であった。谷状になっているこの一帯がルイスに与えられた勇士団領となっていた。
ルイスは間違いじゃないのかと思い、何度も書状を確認するが、ここであっているようだ。
「では、僕はこれにて」
「ありがとうございました」
ルイスはブニークトに頭を下げ、ここから見送った。ブニークトは自身に与えられている勇士団領へと向かうために、ここを経由したに過ぎない。それを知っていてもなお、どうにかしてほしいという気持ちは一行の誰もが抱いていた。