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我が帝国は、成れり。  作者: 尚文産商堂
第4章「祭りの中で」
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第22話

「この角をまがったところです」

 ブニークトがその角に差し掛かる直前で立ち止まる。ダッケンバル4世国王が、そこで止まるように指示したからだ。

「この先、見張りが立っているかも知れぬ。1名、斥候に行かせよう」

「でしたら、私が」

 勇士団見習いの一人が手を上げた。マウンダイスへと国王がちらりと目線を送ると、マウンダイスは1回だけ、黙ってうなづいた。それを見てから国王はその人に命じた。

「慎重に、な」

「はっ」

 すぐに彼は敬礼をし、ルイスたちのところからゆっくりと、足跡を消すようにしながら歩き出す。角を様子見し、若干進むとすぐに戻ってきた。

「手前の建物左側に、見張りが2名、外におります。建物の中には、1階には見える範囲で4名、さらに2階には複数名の気配がします。女の嬌声が聞こえておりますが、嫌がっているように思えます。また、奥にある別の建物の前に1名見張りがおり、木の戸で目張りがされております」

「そうか。女はいくらほどいる」

「おおよそ4ないしは5名は」

 ここで、国王はそうかとだけ答え、若干思考をめぐらせているようだ。この辺りの建物は地下に貯蔵庫が作られることが多く、そこまでは外からは見ることができないことから、より多くの賊がいるものと考えられた。この手勢だけで事足りるのか、それとも、より多くを引き連れてくるべきなのか。それを悩んだのだ。だが、この乱戦の中、どこに誰がいるのか把握することはきわめて困難である。つまり、選択肢は一つしかなかった。

「マウンダイスよ」

「はい、国王陛下」

 国王からの問いかけに、すぐにマウンダイスは返答する。

「貴殿は、これより兵をまとめ、本部と思われる手前の建物を強襲せよ。兵は、現在いるこのうちより選ぶがいい。また、3名の精鋭を指名し、私とともについて来るように命じよ」

「はっ、陛下」

 そして、すぐさまマウンダイスは精鋭とした3名を選出した。その中に、ルイスは当然のように含まれていた。

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