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我が帝国は、成れり。  作者: 尚文産商堂
第4章「首都攻防戦」
212/280

第211話

「グランド国王、今ならば命はとらん。すぐに降伏し、マウンダイス陛下へとその命を助けるための措置を取れ」

ルイスはグランド国王へと、剣の切っ先を向けながら叫んだ。

「何を言うのか、そのマウンダイスこそが今回の諸悪の原因ではないか。国王は二人もいらぬ。頂点を極めるのは一人でよい。おぬしこそ我が軍勢として加わらないか。配下へとなれば公爵の地位は安泰、さらには領地も増やすことも夢ではないぞ。良い地位を与えることも、この世の乱世を鎮めることもできるだろう」

「……マウンダイス陛下には恩がある。その恩義に報いるために、今僕はここにいる」

「残念だよ、君とともにいれば、我が王朝は世々つつがなく続いていってくれていただろうに」

全く残念だ、とグランド国王は嘆息した。

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