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我が帝国は、成れり。  作者: 尚文産商堂
第4章「祭りの中で」
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第18話

 一方のはぐれたルイス、ランゲルスは、クリス、エルラ、シュトールを探していた。

「まったく、どこに行っちゃったんだ……」

 ルイスはめんどくさそうにいいながらも、ランゲルスを壁際を歩かせつつ、3人を探していた。ランゲルスは、歩きながらも、ルイスをちらちらとみている。

「どうした?」

 視線に気づいたルイスは、ランゲルスに尋ねる。急に聞かれて慌てふためくランゲルスであったが、気を取り直して、歩きながらルイスに聞いた。

「3人は、きっとどこか買い食いでもしてるわよ。大丈夫だって」

「そうだろうなぁ…」

 3人の性格を思い出しつつ、ルイスがつぶやく。だが、その考えは、突如として中断することとなる。爆発音が近くから響いてきた。それからわずかに遅れて、砂煙が道を覆っていく。

「なんだっ」

 ルイスが叫ぶと反射的にランゲルスを抱えて、走り出す。きゃっと短く声をあげたランゲルスは、おとなしく御姫様だっこのように両手でルイスに抱えられつつ、その身をゆだねている。


 大慌てで走ってきたルイスは、最初に待ち合わせた広場へとやってきた。ざわついており、あたりは勇士団と敢闘団の正装をした人たちによって、収拾されつつはあった。だが、他のところから逃げてきた人たちでごった返し始める。そこに、ルイスへ声がかけられる。

「ルイス、ここにいたか」

「先輩、何が起きたんですか」

 ルイスに声をかけた人は、ブニークトであった。ブニークトは甲冑は来ていなかったが、手には剣が握られている。一応鞘に収まっているものの、すぐに抜けるように、片手は柄を常時つかんでいた。

「誰かが爆弾を爆発させたらしい。死傷者が複数出ている。ルイスの周りはどうだ」

「幼馴染が3人行方不明です。はぐれたので探している間に、この爆発が起きました。これからどうすればいいですか」

「彼女は、一旦ここにおいていくしかない。いいね」

 彼女は、ランゲルスのことだ。ランゲルスは、仕方ないという残念そうな表情をして、ブニークトの話を聞いている。

「分かりました。装備を取りに…」

「いや、その暇はない。これを使え」

 予備で常にブニークトが持ち歩いている短剣だ。刃渡り10cmほどであるが、切れ味は折り紙つきだ。

「いいか、絶対に後で返せよ」

「分かりました、先輩」

 ルイスはここで、ランゲルスを別れることになった。ルイスが向かう先は当然、爆発が起きた現場だ。

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