0-1話 僕の1ページ目
この世界では、僕たち人間の約85%もの人々が何かしらの能力を持っている。
物を引き寄せたり、火をおこしたり、声を巨大にすることもできる。
しかし一方で残りの15%の人々は
「欠陥生物」
と呼ばれ、蔑まれているのである。
この僕、ルヴェル・ハーマもその「欠陥生物」なのである。
名がよくても能力はない。この世界は実に不条理である。
そして、この世界と言ってはみたが、ここ以外にも世界があるのかは謎なのである。
「おいルヴェル!!!何を突っ立ってる!!」
「すいません!!今すぐに!!」
「口じゃなくて手を動かせ!!!」
「はいぃぃぃ!!!!!」
そして、小さい運送屋で働く僕はこうしてリーダーに叱咤されながら汗水を垂らしてせっせと働いているのである。ああ僕はなんて偉いのでしょうか!すごい!
「お前みたいな欠陥、雇っているだけ感謝しろ!!!」
この通り、欠陥生物はただそれだけで忌み嫌われ、迫害されるのに、リーダーはあろうことか雇ってくれているのだ。その懐の深さにしびれる憧れるぅ!
「いってきまぁぁす!!!!」
「早く行って来い!!!」
空元気を出し、僕は作業所から勢いよく飛び出す。
今日の届け先は遠方の遺跡群の町、中身は極秘なので何が入ってるかわからないが、よっぽど重要なものなのだろう。
そう考えながら、平原や山などをすっ飛ばしていく。時間を守ってほしいとか、荷物は極秘とか、
いつもと違う特殊な依頼、いろいろ気になるけど、マジで早く急がないとヤバい。
「でも、やっぱり気になるよなぁ。中身。どうせ誰も見てないし、ちょっと見てみてもいいだろ。」
馬を止め、荷物を開けてみる。すると、中から謎の物体が出てきた。見た感じ、何かのからくりらしい。
からくりならどこかに動かすスイッチがありそうだが、、
「まじでどこだよ、、てかなんか光っt」
なにこれめっちゃ眩しい、なに?目くらましレベル100?目が痛いんだけど。
「い、、、っ、、?止まったか、てか壊れてるじゃねぇーか!!」
ヤバい。大事な荷物を壊してしまった。見るなと言われた荷物を勝手に開けて、勝手に使ったら壊れたなんてことがバレたら相当まずい。ヤバい。そう思ったその瞬間、
【世界転移】
そんな表示が目の前に現れた。
これって、能力がある人が見れるという、ステータス、だよな、、?
てことは!!俺も能力使えるんじゃね!?多分さっきのが能力だよな?えっと、
【世界転移】
そう叫んだ瞬間、白い光に僕は包まれた。