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この作品に描かれている内容は、
如何なる実在する人物、組織への誹謗中傷を意図したものではなく。
現実世界のいかなる団体、個人を指し示すものではなく、
全て物語でありフィクションであり、実在の人物・団体、実際の事件とは一切
関係ありません。
この作品いかなる犯罪行為を肯定するものでありません。
「この2人は、私の護衛です」
「そうか……」若干納得が言っていないような雰囲気だったが、魔術師は黙認してくれた。
「結婚してください」Mr高橋は、突然女神祭で選ばれた女神に跪き結婚指輪を取り出す。会場には、
ギャラリーは残っていたが今までとは全く雰囲気が違った。皆凶悪な雰囲気を醸し出しており普通の
異世界の住人でないことは明白だった。会場は、NS13のメンバーに占拠されていた。もはや
女神に拒否権は存在しなかった。拒否すれば橋から吊るされるのは目に見えていた。女神に選ばれた女性は、
プロポーズを受け入れることにした。いや、せざる終えなかった。Mr高橋は、現実世界から輸入した
薬物で巨万の富を得てその富で街の支配者となっていた。そのため今回の結婚に文句を言うやつなど
1人もいると思わなかったのだが……。
クエスト紹介所に向かう。期待は、してなかった。
「今度は、しっかり選ばないとね……」
「ああ……」うっかり闇バイトに応募してしまった。しかし、条件を厳しく選り好みするとほぼ
クエストがなくなる。
「何かクエスト……」
「実は、オファーがあります」
「オファー?!」まともなクエストなどほぼ見つからないなかまさかのオファーだった。
「ってまたあなたですか」
「何よ。Fランクの冒険者にクエストを発注するお客様に向かってその態度はなに?」指定された場所に
向かうと待っていたのトワだった。
「ねえ。また薬物のクエスト……やめようよ……」リスクが非常に高かった。セルフィナは、難色を示す。
当然だった。しかし、俺は転生者に復讐しなければならなかった。
「すまない。俺をローアンデットまで叩き落としたのも転生者だったんだ。だから同じ転生者に
苦しめられている人たちを頬追っておけない。無理にとは言わない俺1人でもいく」
「シャドーハート君がそこまでいうなら……」
「で、依頼の内容は」目線をトワの横の女性に目を向ける。
「はじめして、アリアといいます。私の娘アリアナを取り戻してほしいのです」依頼者は、トワではなく
超女神祭のガチャで召喚された女神アリアナの母アリアからのものだった。娘をギャングのボスMr高橋
から取り返してほしいというものだった。ステータス画面に難易度と報酬が表示される。
「難易度Sで報酬が100jpy!! ちょっとこんなの馬鹿げてるよ……」難易度と報酬が釣り合って
いなかった。セルフィナの反応は最もだった。
「アリアナは貧民街の人間でこれ以上は出せないは」
「分かりました。引き受けましょう」結局シャドーハートの決意は揺るがなかった。
「なんで、こんなクエスト受けるのよ」
「転生者全員殺したいから」シャドーハートの恨みは本物だった。
「汝は、永遠の愛を誓いますか?」教団の白装束の男がウェディングドレス姿のアリアに尋ねる。
しかし、拒否は許されなかった。というかできるはずはなかった。なぜなら今この境界にいるのは
ギャングのメンバーで通常の結婚式のような親族や友人などというぬるい人間は誰一人として存在しなかった。
「はい……」アリアが涙を流す。
「汝は、病める時、貧しい時も、妻を養い、部下たちを養うことを誓いますか?」こんどは、Mr高橋に
尋ねる。
「はい」ここに新たな家族が生まれた。
「では、誓いのキスを……」アリアの顔にかかていた白いベールを白装束の教団スタッフが払いのける。
「……!」アリアは、目を見開き。固まる。眼の前の顔は、シャドーハートのものだった。
教団の白装束姿のシャドーハートは、仮面を投げ捨てる。
「ほう、結婚式の余興にして少し遅すぎるな……」結婚式をぶち壊しにされた。Mr高橋は不敵な笑みを
浮かべる。その顔には一切の焦りはなかった。街の全てを支配している男の余裕だった。
「貴様!」教団の戦闘員がすぐさまシャドーハートを殺そうとする。
「全員下がれ!」Mr高橋の怒号が響く。
「しかし!」高橋の手元の槍が口答えした教団のアサシンの体を真っ二つに切り裂く。アリアは、その場に
崩れ落ちる。
「いいか、下がれ」教団関係者だけでなく、ギャングたちも下がっていく。
「NPC風情がおもしろい余興をしてくれるじゃないか。当然たのしませてくれるんだろうな」高橋は、
騎士の甲冑を装備する。
「実は、お金に困ってまして……」
「そうか……じゃあおもしろい余興の後に報酬をやろう。まあもっともその金貨を手に入れる前にお前は
死ぬことになるがな」眼の前に金貨をばらまく。
「それに転生者たちが死ぬほど嫌いでして……」
「ハハハ! ちょうどいい。じゃあ転生者を殺したら報酬を貰えるクエストがあるとしたら」
「それは、大変面白うございます」
「……!」突然槍が切りかかってきた。全く想定していなかった。攻撃にシャドーハートは、焦る。
「ハハハ! そんなに驚かなくてもいいだろ」そう槍が甲冑武士を槍のように振りかざしてきたのだ。
「本体は、槍」
「御名答私は、槍に転生した。この甲冑騎士は、武器で本体は槍なんだよ」甲冑騎士がシャドーハートの
頭上に振り下ろされる。