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この作品に描かれている内容は、
如何なる実在する人物、組織への誹謗中傷を意図したものではなく。
現実世界のいかなる団体、個人を指し示すものではなく、
全て物語でありフィクションであり、実在の人物・団体、実際の事件とは一切
関係ありません。
この作品いかなる犯罪行為を肯定するものでありません。
伽藍とした王宮のアラン専用の贅沢な居室にシャドーハートは、一人佇む。さっきまでの喧騒は、
嘘のようだった。
ー違うーそう、はじめから何か違和感があった。全てがズレている。
アランが、死に戻りを繰り返しながら作り上げた理想の国エルグラード。
今まで見てきた。胸糞悪いチート転生者のテンプレそのもののはずだった。
しかし、転生者を殺し始めていたころから俺の中にある違和感。
その違和感が、俺の足を誰もいなくなり全てが処理されたはずのこの空間に呼び戻した。
西洋ファンタジー風の部屋は静かだった。
そう、ならなぜ、ノワルはあそこにいた。
そう、街のはずれで会ったのは、ノワルだった。
ー知っているーノワルは、アランのチートの副作用に気づいていた。
おかしい、完全に自分のいいなりになるまでなんども死に戻りを繰り返し、
完璧な世界を構築したならなぜ、俺以外のイレギュラーがいる。
なぜ、俺以外がチートの存在に気づいている。ひょっとしてあの女は、NPCじゃない?
いや、だとしたら。アランの能力は一体なんなんだ?
ー違うーアランではない。いや、厳密には「転生者」ではない。
この異世界で繰り広げられる。悪夢の正体は……別にいる!
「ドン!」大理石に壁を突き破り黒いフードの男が現れる。
目は死んでいるが、引きつった笑顔を常に浮かべている。
「あれ? あの馬鹿はどこにいった?」非常になれなれしく。フードの男が近づいてくる。
陰は、なく。足元が僅かに宙に浮いている。一瞬で全身の筋肉に力が入る。
ー本物だ!ーそう、俺は、追い求めいたいたのこの男! いや、この存在!
強烈な危機感があたりをつつむ。男は音もなく近づいてくる。
「アランなら捕まったよ」
「あ? どこにいった?」
「現実世界に戻るんじゃないか?」
「アヒャヒャ! そうか! ま! あんなガラクタいくらでもあるからまた
次のガラクタを探すだけだからな! お! ちょードいいところにガラクタが!」
ひたすら笑い声をあげながら話し続ける。喜怒哀楽の感情が完全にバグっていいた。
ー来る! この男が俺の体を乗っ取ろうとしているのが感覚的に理解できた。
魔力のベクトルが俺に向かっていた。何も俺とその男には無かった。
派手なエフェクトも音も。しかし、確実に魔力の流れが変わっていた。
「ドサッ」広い部屋に二人だけ。不気味な男の笑い声が響き渡るだけの部屋のはずだった。
「う、嘘……」ノワルだった。床には、異世界の虹色の花が落ちていた。この花は、
この世界では、人が死んだときにお供え用に使われるものだった。しかし、
その花は、この部屋に入った瞬間一瞬で枯れてしまった。
ーまずいー! アランの時とは違う。いやーアラン自身には最初から
この世界の人々にノワルにリュミアに危害を加えるつもりなどなかったのだ。
判断ー遅すぎた。しかし、まだ、彼女を守ることぐらいならッ!
ノワル目には、その男が転っていた。
「あなたがアランをー!」その目は、恐怖から怒りへと変わっていく。




