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この作品に描かれている内容は、
如何なる実在する人物、組織への誹謗中傷を意図したものではなく。
現実世界のいかなる団体、個人を指し示すものではなく、
全て物語でありフィクションであり、実在の人物・団体、実際の事件とは一切
関係ありません。
シャドーハートは、路面店を開いていた。毎週火曜日は、街に多くの商人や農家の人々が集まって
市場が開かれる。シャドーハートの並べる商品は、僻地でしかとれないような特別なものが多かった。
高山野菜や、高山でしかとれないジビエの魔物を並べていた。街は、活気に溢れていた。
「帰ったよ」
「おかえり」街には、活気があり野菜もジビエもしっかり売れた。しかし、手に入ったお金は、
わずかな額だった。この国自体が非常激しい経済的に格差がありその格差の影響でお金を稼げない
貧乏な男性スライム男子と呼ばれる男性たちで溢れていた。シャドーハートもそのうちの1人だった。
そして彼女もいない結婚する金もないましてや子育てなんて決してできないお金がないからだ。
そのためシャドーハートは、街から離れ山で自給自足で暮らしていた。そこに偶然冒険者として
クエストで山奥まで来ていたモルガナと出会うこととなる。
「ねえ、神社にいかない」
「ああ」山の頂上付近に街を一望できる古びた神社があった。
「すまないな。お金もなんもなくてこんなところに連れてくることしかできなくて」
「いいのよ。もう冒険者として激しい競争の日々にはうんざりしてたからここでゆっくり暮らしていくは」
結婚もしていなければ、結婚式をあげる金銭的余裕もなかった。
翌日いつものように、罠の様子を見に行っていた。罠は、雷の魔法を施してあり罠に魔物がかかると
雷の力により魔物が捉えるといった仕組みになっていた。
「お! いるぞ!」罠には、大物グランドがかかっていた。自分たちが食べるにも売るにも申し分ない
大物だった。シャドーハートは、その場で大物を血抜きし捌く。
「ただいまー」小さい家にシャドーハートの声が響く。普段あるはずの返事が帰ってこなかった。
シャドーハートは、狭い家を歩き回り探すが誰もいない。
捨てられたか……おかしな話ではなかった。結婚も、子どもも育てる財力もない。いつ捨てられても文句が
言えなかった。はぁ……。正直頭によぎらないことでなかった。全身が脱力する。その日は、
グランドの肉片を焼き塩をぶしてかじり眠りにつく。翌日待てども待てども全くモルガナは、帰ってこなかった。
戻ってきてほしいという気持ちがないわけでもなかったが、このまま畑を耕しながらスライム男子らしく
山奥の自給自足生活をするのも悪くないと思うシャドーハートだった。またいつもの日々に逆戻りか……。