表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/59

第23話


 トムを連れて、無事にカルストへ到着。すぐにギルドへ行って依頼完了報告をした。


「とうちゃん!」


「テッド!心配かけたな。もう大丈夫だ。」


 あの小僧、ギルドで待っていたようだな。よっぽど心配だったと見える。ふむふむ。感動の親子の再会ってやつだな。


「マサツカさん、本当に行ってきたんですね。驚きましたが、無事に戻って来れて何よりです。依頼は無事に完了ですので、報酬の銀貨1枚です。お受け取りください。」


「ああ、どうも。それからさ、この魔石って買い取ってもらえる?」


「えーっと、見せてください。・・・え!この魔石、どこで?!」


「森にいたデュラハンをぶっ倒した。全部でえーと、13体分か。」


「デュラハン!?あの森での目撃情報なんてなかった筈です!」


「それについては、あっちにいるトムから聴いてくれ。確定ではないが、迷宮が見つかったかもしれない。デュラハンは、おそらくそこから湧いて出たんだろう。」


「わかりました!ありがとうございます!あ、魔石の代金は鑑定士が確認してからとなりますので、もう少々お待ちください。」


「ああ。よろしく頼む。」


 その後、鑑定が終わり、デュラハンの魔石は本物とわかった。魔石は1個金貨1枚で売れたので、これは思わぬ臨時収入!懐がホクホクだ。


「マサツカさん、ランクアップしませんか?デュラハンは本来ならBランク推奨の危険な魔物です。それを単独でこれだけ討伐できるなら、FランクからいきなりBランクへのアップも可能かと思われます。」


「あー、別にいいや。今までどおり、魔石とか買い取ってくれるし。」


「それは・・・残念です。ですが、気が向いたら是非ともランクアップしてくださいね。他の町の傭兵ギルドでも手続きできますので、よろしくお願いします。」


 そう言ってはくれるが・・・ランクとか、もういいや。あんまし目立ちたくないし。サクサクっと先に進みたい。


「マサツカさん、とうちゃんを助けてくれてありがとう!」


「おお、小僧。よかったな。えっと、名前は?」


「テッドっていうんだ。」


「そうかテッド。よかったな。ところで、母親はどっかにいるのか?」


「かあちゃんは、ちょっと前から具合が悪くて家で寝込んでいるんだ。だからとうちゃんが今まで以上に稼がないとって無理してしまって。治療師さんが診ても、かあちゃん、よくならないんだ。」


 あれま。これはなんというか。テッド君、最近運が悪いと見える。


「なあ、秘密にしてくれるなら、テッドの母親、治せるかもしれない。母親のところに案内できるか?」


「本当!?でも、お金がもう少なくて。」


「金ならさっき銀貨1枚もらったぞ。それで充分。さぁ、早く案内しな。」


「うん!とうちゃんは・・・」


 見れば、トムはギルドの窓口で捕まっているようだ。未発見の迷宮の報告かな?その周りで

「未発見の迷宮だってよ!」「ヒュー!お宝お宝!」「いいわねぇ。お金ガッポリ!」


 と、色々聞こえる。これはしばらく開放されないだろうな。


「テッドのとうちゃんは、しばらくあのままだろうよ。テッド、先に案内してくれ。」


「わかった!ついて来て!」


 そういうテッドについて行く。ギルドを出て、酒場や宿の明かりで賑わうメイン通りをしばらく歩くと、ふいに脇道へ。メイン通りから逸れた脇道は薄暗い。見失わないように後をついて行くと、少々ガタがきているだろう古い小屋が見えた。


「ここだよ。メイン通りをずっと歩いても着くけど、遠くなるから近道しちゃった!」


「ああ、ありがとう。」


 礼を言い、中に入る。中はランプが1つだけ灯っており、正直暗い。部屋の中も埃っぽいな。テッドには悪いが、かなり不衛生に感じられる。


「マサツカさん、ごめん。家も古くて、修理や掃除もできてなくて。」


「いや、気にするな。それより母親はどこだ?」


「こっちで横になってる。今起こすね。かあちゃーん!お客さんだよ!」


 この部屋の奥のドアを開けて更に奥へ。そこは寝具が3つ。寝室というわけだな。ただ、ほぼ雑魚寝状態。ここも衛生的とは言えないな。このあたりはスラム街とまではいかないが、貧富の差が激しいようだ。


「テッド、どうしたんだい?」


 弱々しく体を震わせながら、母親が上半身を起こした。


「お客さんだよ。かあちゃんの病気をみてくれるんだ。」


「ああ、それはありがたいね。だけど、お金が無いんだ。残念だけど、お引き取り願わないと。」


「金は気にするな。俺は傭兵のマサツカ。テッドから聞いたぞ。体が悪いんだってな。見せてみろ。」


 テッドの母親はやせ細り、顔色もかなり悪い。言っちゃ悪いが、ただ死んでいない、それだけの状態だろう。


 俺は医者でもなんでもない。だが、元の世界の理科の授業でやった人体の構造や免疫だとかで、大まかなことだけはわかる。後は、魔術の出番だ。


 <ヒール>


「あら、なんだか少し体が軽くなった気がするわ。何かされたんですか?」


 む?少しだと?ヒールでは治りが悪いか。なら、母親の体の悪い部分はどこだ?


 <スキャン>


 スキャンは、対象をデータ化して読み取る魔術だ。詳しいことは俺もよく知らないが、サーモグラフィーというのか。俺には母親がそう見えている。

 で、異常を起こしている部分を赤色で示すと、腹部と胸部が真っ赤に。ああ、これは異常すぎるな。どうりで、ヒールでは無理なわけだ。


 なら、<リザレクト>


「え!何が起こったの?体がとても軽いわ。それに、お腹や胸も痛くない!なんてこと!奇跡だわ!」


 いや、魔術だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ