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自叙伝  作者: ぺぺろん
3/12

高校生期(大恋愛編)

この自叙伝は、陽キャになろうとしてもなれない、エリートになろうとしてもなれない、スポーツをしようにも才能がない、モテモテになろうとしてもなりきれない挫折ばかりのごく普通の20歳大学生、おれが書く中途半端なストーリーである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


中学校でインキャ下克上を果たした(?)おれは、学区内1の高校に進学する。


だが、ここはまさにおれの黒歴史の宝庫。


あまり長くは話したくはない。。。



〜高校生期(大恋愛編)〜



高校生。それは人生のうち、「青春」とも呼ばれる最も重要なセクション。


より異性を意識するようになり、ピンク色の話題で盛り上がる。


だれがカッコいい、だれが可愛い、だれが好き、だれとだれが付き合った、、、、、そんな話ばかりが飛び交っている。


すなわち、恋多き時期。


女子たちは色気付き、男たちはより男らしさに磨きをかける。



ここにもまた一人、磨きをかけようとした男がいた。


おれである。


前髪の癖毛が気に入らなかったおれは、前髪だけ縮毛矯正するという暴挙に出る。


案の定、中高生男子にありがちな前髪だけぺったんこ状態。


しかし当のおれは大満足であった。


陰でディスられていることなどつゆも知らずに。。。



また、みんな絵に描いたようなメガネくんばかりの中で、悪目立ちする前髪ぺったんこなおれの見た目と、おそらくTwitterなどのSNSでウケ狙いの投稿ばかりしたおかげで、おれの名が学年中に広まってしまった。。。



それはさておき、おれは高校でもサッカー部に所属した。


これが、高校生活の中で一番の成功であり、また一番の失敗とも言えるかも知れない。



まずは成功から話そう。


端的に言う。


おれは同期で入ってきたマネージャーの女の子に一目惚れした。


それはもうむちゃくちゃ好きになった。


学年内でもトップでかわいいと言われていた子で、若干今田美桜似の綺麗系の顔立ちをした子だった。


先輩からの人気も凄まじく、一つ上の野球部の主将にも口説かれたりしていた。


当然、同期にも彼女のファンはいた。


しかしおれは絶対に負けるわけにはいかなかった。


この二度目の恋は絶対に成功させてやる。


おれの意志は固い。


手段は選ばなかった。



まずは彼女の周りの女子たちから味方につけた。


おれが彼女のことが好きであるということを伝え、全面協力をお願いした。


ことあるごとに、おれについてどう思っているか、今現在好きな人はいるのか、などを報告してもらった。(気持ち悪すぎる)



また、彼女と小学校から高校まで同じだったという、まさに親友とも言える女の子、Hともとても仲良くなった。


おれと彼女とHは3人でよく遊んだ。


おれにとってはすごくありがたい関係性だった。



極めつきは、片っ端から恋愛サイトを漁っていったことだ。


どうすれば女の子をおとせるのか、意識させられるのか、心理的な情報を得ることができるのかを積極的に学んだ。


部活も一緒だったので、予定も合わせやすかったため、二人でもよく遊んだりした。


しかし、なかなか男としては見てくれない。


気づけば片想い歴は半年をゆうに超えていた。



好きになって8ヶ月ほど経った12月ごろ、おれのアタックはさらに激しさを増した。


好きであるということを日常的に伝えた。毎日褒めた。もうほぼやけくそだった。



そして1月下旬、突然そのときは訪れた。


いつも通り、おれはラインで彼女に今日も世界で一番かわいいと伝えた。


だがその日はなにか反応が違った。


いつもは「ふーん」や「あっそ」など素っ気ない返信が来るだけだったのに、その日はなぜか


「なんでそんなに可愛いとか好きって言ってくれるん?笑」


という返信内容だった。


もちろんこれに対する返事は、「ほんまに○○のことが好きやからに決まってるやん。」の一言。


そのときおれは、もう少し踏み込んだことを聞けるんじゃないのか、と思い、


「○○はもうそろそろ好きな人できた?」


と聞いてみた。


いつもなら「おらんわ」とか「できてないわ」とか適当に答えるはずの質問。


だがその日はやはり何か違う。



「さぁ。笑」



いや、イケるでしょ、これ。

おれのこと好きなっとんちゃうんけ。

もういくしかねぇ。


だがここは慎重に。まだ焦る時間じゃあない。


しっかりと仲の良い女子にも情報提供を求める。


「『いま告白されたらOKしちゃうかも。笑』らしい!!!いくなら今しかないよ!!!」



勝ち申した。



おれは部活後、彼女を河に隣接する高校の最寄り駅の、夜景や橋がよく見えるテラスに呼び出した。


心臓が震えていた。



手汗が止まらない。



イケるとわかっていても声が出ない。



一年弱この瞬間を待ちわびたのだ。



一言いうだけ。



ただそれだけなのに鼓動がそれを邪魔する。



相手も励ますようにこちらを見つめる。



それを見て、自然と口が動いた。




「○○のことが大好きです。おれでよければ、付き合ってください。」





彼女はうつむきながらも、小さく頷いた。


おれたちは無事カップルになった。


次の日、みんなからのうざったいほどの祝福があったことは言うまでもない。





ここまでが高校での数少ない成功談の一部であり、大恋愛編の完結である。


ここからはサッカー部編だが、まさかこのサッカー部が原因で唐突に彼女との別れがこようとは、この時はまだ知る由もなかった。。。



〜続く〜

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