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大人になった人

作者: keisei1

雨は湿り気だけじゃない

曇り空を運んでくる

夏の始まりを告げる空は閉じては

物憂げで 胸を突く


あの娘は知っていたんだ 二十才はたちの扉を開ける頃に彼が去っていくと

あの娘は目を伏せて泣いていた 彼が笑顔の裏で唇を噛んでいたから


出来るだけ日陰の暗がりがある場所を歩いていこう 

太陽の憎むような陽射しを避けるために



「冬は白い雪とともに溶けて消えればいい」

そう口にする彼女の横顔は やけに鼻筋が通っている

7月になったばかりなのに おかしな話だと不思議がったのは彼だ

今ではそんな記憶だけが胸に押し寄せる


あの娘はわかっていたんだ 寒空を迎える前に彼が離れていくと

あの娘はわかっていたんだ 彼の笑顔の背後に隠れた弱さが 答えを出すと


出来るならば涼しげな日陰のある場所を歩いていこう

そこでは太陽の怒りさえ免れられるはずだから


悲しみは日陰の涼風が拭ってくれる

今はそう 太陽の妬ましい視線だけでもさえぎろう


出来るならば 

出来るならば

出来るならば


いつか見たあの明るい光を思い出しながら









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