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ケモノの王国  作者: オリンポス山
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砂の王都

ランカリアの国は、東の大陸南部に位置する砂漠地帯に拠点があった。

王都アサンガは白い城壁に吹き付ける砂漠の砂で黄金に輝くすばらしい城を中心に、

木の根が這うように町並みが広がっていた。


猫のランカが商売を盛り上げ、豹や虎のランカが民を守り、獅子のランカが国を治める。


亜人戦争が起こるまでは、多少のいざこざはあったものの、それは平和で栄えた国だった。


―亜人戦争。子孫を長きに渡り着実に増やしてきた純種たちが、亜人を虐げ根絶やしにすべく起こした壮絶な戦争だった。


14年にも及ぶその戦いは、ランカの人口を半分以下にまで減らす激しさで、ランカだけでなくほとんどの亜人は純種の勢いになすすべなく数を減らしていった。


キアラが生まれたのは、亜人戦争が勃発する6年前。

まだ純種に抵抗の兆しはなく、アサンガは繁栄を極めていた。


第一王女アギが生まれ、その二年後、妃はキアラを授かった。

アギは妃によく似た純白の毛並みだったが、

キアラはその場には光が満ちるような黄金色の毛並みを持っていた。

アギよりも体が強く、武芸に対して幼い頃から関心があったため、将軍直々に剣術を教えこまれた。


対するアギは、強くなってゆくキアラと二人で国を治めようと、自身は政治や民のことをよく学んだ。


キアラが太陽の子と呼ばれる所以は、黄金色の毛並みだけが理由ではなかった。


キアラが誕生し、妃の胸に抱かれた時。

キアラのまわりは金の光が飛び交い、柔らかな風をまとっていたという。


そして自分は太陽に使わされた者だと、母に伝えたのだと。その光景は多くの人が目にしており、キアラには特別な力があると誰もが信じ、太陽の子と呼んだのである。


キアラがメキメキとその頭角を現し、遂に将軍の右腕となり、18歳の成人の儀式を済ませたその夜のことであった。


時は来てしまった。

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