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期間限定ダンジョン

すごく遅くなりました。このままだと二度度投稿しなくなりそうなので短いけど投稿。続きは現在書き直し中です。また投稿が遅くなります。




 カリンにデザートを作ってもらったイツキは上機嫌にデザートが入ったバスケットを揺らしながら歩いていた。

 せっかくおいしいものを作ってもらったんだから、景色のいいところで食べたい。

 そう考えたイツキは景色のいいところを目指してぶらついているのだ。


 街中はどこも人が多く、ゆっくりできそうなところが無い。

 散歩開始から20分、イツキはやっとそのことに気づきフィールドへ向かう。

 どこか景色のいいところかぁ、花畑はキラーアントが大量にポップしてめんどくさいし、森は特に景色がよくない。平原なんて初心者がプレイしているのを眺めることしかすることが無い。

 川とかかな?滝とかがあれば良いのに。川をさかのぼればあるかな。メニューを開き、現実の時間を確認する。昼食の用意をしなくてはならない時間までまだまだあるので安心して探索が出来る。

 イツキは川沿いを山のほうに向かって歩いていった。



 川は意外と短かったらしい。

 歩いて2時間ほどで池に着いた。ここから水が湧いているらしい。

 滝ではないのか。がっかりだ。

 地味な景色に意気消沈するも、もう時間が無い。

 地面に座り込み、バスケットをあけた。


 「ミートパイなのに甘い。うん、いける」


 イツキはちょっともったいない気もするが、急いでミートパイを食べ、バスケットをインベントリにしまう。最後に池を見ると、奥のほうで魚だろうか、魚にしては少し大きい影が揺らいだような気がした。

 

 「気のせいかな」

 

 イツキは現実での昼食の支度のため、敏捷ステータスに物を言わせウルカに戻り、ログアウトした。






 


 現実(リアル)時間午後1時。イツキはウルカの中央広場、噴水前でメニューを開き、技を調べていた。イツキが使える技は片手剣初級技カットのみと体術中級技すべて。

 たぶん使った武器の初級技1つは自動で登録されるのだろう。そうしたらこの体術中級技の説明がつく。体術はリュナさんに習ったからだ。あれ、でもリョウは普通クエストで教わるって言っていたっけ。詳しく聞いておけばよかったなぁ。


 「イツキか?」

 「はい、そうですけど?」


 メニューとにらめっこしていたイツキはその声でやっと顔を上げる。話しかけていたのは黒目黒髪で袴姿の侍。しかもイケメン、ただし女顔である。あまりにも見覚えのありすぎる顔にイツキの思考は停止した。

 

 「イツキ?おーい、大丈夫か?」

 「……葵?」

 「あったり。ここではセイな。ソロで職業は侍」

 「1つ言っていいかな」

 「うん?」

 「何で俺の顔使ってるの」

 「男キャラが良かったんだけど、かっこいい勇者面を一から作ったら違和感が拭いきれなかったから樹の顔でいいやって思った。反省も後悔もしていない。」

 「……そう」

 「さあ、イツキ!冒険に出よう!準備は良いか?」

 「そんなにどうでもいいことみたいに流さないで欲しかった。……まあ、いいや。期間限定ダンジョンってどこにあるの?」

 「ウルカの北の街道を行ったところだな。二日もあれば着く」

 「それなら食料も手持ちで足りそうだね。行こうか」

 「ああ!」


 イツキとセイはのんびりと町を出た。




 

 「そういえばセイ。スキルと技の違いって何?」

 「スキルは分類に使うものってイメージがある。技は細かい奴」

 「何が言いたいのかぜんぜん分からない」

 「えっと、ウサギはウサギ目ウサギ科だろ?その後にユキウサギとかニホンノウサギとかがくる。スキルはその中の目を示す奴で技は名前を示す奴」

 「なんとなく分かったような分からないような。セイやっぱり説明下手」

 「うるさい。使いこなせれば理屈が分からなくてもいいだろ」

 「まあそうだけどさ」


 パチパチと燃える焚き火に枝を追加する。ダンジョンまで後ほんの少しだがもう夜になっているので今日は野宿だ。


 「どっちが先に見張りをする?」

 「ジャンケンで決めようぜ」

 「ん。ジャンケンポン」

 イツキとセイは何度もあいこを続け、15回目でやっと勝敗が着いた。

 

 「俺の勝ち。先イツキな」

 「了解。おやすみ」

 「おー。おやすみ」

 

 することも無いのでセイはもう横になった。イツキは燃え盛る火をじっと見つめる。ゆらゆらと揺れる炎は見ていて飽きない。

 そうして夜は更けていった。





いつも読んでいただきありがとうございます。

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