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 さて。

 今日も今日とて朝練のために始発に乗って登校。朝練は野球部にもあるのでいくら早く家を出ても駅で黒斗と一緒になる。

 まあ、そこまでは仕方がないとしても。

「何でわざわざ隣に来るかな……」

「だから俺も母さんに言われて、」

「あー、はいはい。分かったから。」

 もう慣れちゃったけど周りの子の視線が痛い。

「全く。こんなののどこがいいんだか」

「悪かったなこんなので」

 どうやら聞こえていたらしい。




 朝練を終えて教室に戻るといつもより教室がざわついていた。

「? 何かあったの?」

「あ、真白ちゃん。おはよ。何か転校生が来るらしいよ」

「ふーん。そうなんだ」

「何かあまり興味無さそうだね」

「うん。興味無い」

 「真白ちゃんらしいね」っと苦笑している久里浜君のファンの一人、六井橙子と軽く話をし、先生が来たので窓際の自分の席に座る。

 内容はやっぱり転校生についてでさっき橙子ちゃんから聞いた話に情報を付け足していく。

 何でも転校生は女の子でとても美人らしい。

 クラスは隣の1組。久里浜君のクラスか。

 そう言えば一年前の丁度この時期に十門さんもこの高校に転校して来たな。

 ボーっと要らない情報を入れたり、思い出したりしているうちに一時限目の授業が始まり、今日も何事も無く過ぎていく。

 十門や三国や黒斗? あんなもの数に入らない。

 まあ、強いて言えば美少女転校に校内を『案内役』として引っ張り回されていた久里浜君の目が死んでいたことかな。




 嵐は翌日のお昼休みにやって来た。昨日、今日と十門さん達に捕まらない喜びを噛みしめつつ、さあ、今日も図書室に行こうかな、とか久里浜君、今日はあの転校生に解放されてるかな、とか考えて席を立とうとした瞬間、

「ねぇ、七瀬黒斗君ってだぁれ?」

 教室内に甘ったるい声が響いた。

 黒斗が訝しそうに「俺だけど……」と小さく名乗りを挙げる。

 それを聞くと美少女転校生は黒斗に近づき。

「へぇ、噂通りかっこいいんだね。それに部活もレギュラーで成績も十番代なんだって?」

「……うちの学校の成績優良者は十番までしか公開されないはずなんだがな」

「えー? でも皆噂してるよ?」

 ごめん、それ流したの私。

 というか。美少女転校生とやら。

 黒斗を落としたいならそのキャラは不味いぞ?

 こいつギャルゲーでもそういうのはパスってるし。

 結果、二ノ宮青依とかいう美少女転校生はアピールを続けるも玉砕。それでも諦め切れなくて友達にこじつけていた。

 あーあ。面倒臭いのが増えたなあ。


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