第二話
勢いって重要だよね!
誤字脱語の指摘大歓迎
食堂でお茶を先日見つけたのでそれを適当に入れ休息を取りつつ今後のことを考える。
さて、一息ついたところで現状の整理をするか。
まずここは何らかの軍隊の施設である可能性が高い。
しかも日本じゃない、どこか別の国だ。
そしてこの施設は地下にあるかもしれない、医務室にも食堂にもさっきの部屋にすら窓が一つも存在していない。
シャッターを上げるにはどうすればいいか、非常用の電力は明かりが点いていることから察するに動いているが主電源は落ちてるだろうな。
とりあえず探索していないのは食堂の先だけか、ひたすら直線なんだなこの施設。
しかし放棄、もしくは人が出払っているだけなのかもしれないが人がいないというのは些か違和感を感じるな。
どこかが壊れている様子もなく冷蔵庫の食料は保存食メインだが腐ってもカビも生えていなかった。
つまるところ人がいなくなったのはここ最近、しかしなぜいなくなった?
まさかバイオハザード…いや、ゲームもメーカーも違うって。
とりあえず食堂の先を探索してどうにもできないのなら部屋の扉を壊してみるか。
なんとなく考えのまとまりがなくなり始めたので食堂の先を探索することにした。
食堂の先も同じような光景が続いておりドアも当然、カギがかかっており入ることはできなかった。
そして五分ほどまっすぐに行くとなにやら物々しい扉があった。
まるでシェルターのようだな、と思いつつ開けられるか調べてみると電源パネルが壁に隠してあった。
こんなところにパネル?少々無用心なんじゃ…
と、呆れつつ非常用電源のみが上に上がっており他の電源と思しきバーは下に下がっていた。
当然、注意書きのようなものもあるが読めないので全て上に上げてみることにする。
!
明るくなった!
そして先ほどまで動かなかった扉に青いランプが点灯したので開けてみることにした。
第二話「いつからこーなった」
扉の中は開発室か何かのようだ。
機械のパーツらしきモノや腕が転がっており乱雑な部屋である。
開発室にしちゃあセキュリティがずさんだな、それともセキュリティをする必要がない?
とりあえずここの奴らは漢の浪漫がわかってるな!
そう、人型の機械ばかりだった。
ほとんどは人を模したロボット…の骨格だけだったり顔だけだったりと少々恐ろしい状態になっているが研究を行っていることに代わりはない。
大学でもわずかばかりではあるが機械関連の授業をしたので知識は多少だが持っている。
その頭の中の知識を遥かに上回る水準のものであるのは一目瞭然であった。
すげえ…ほとんど完成間近の状態に見えるがなんでこんなもんをここに置いてあるんだ?
こんな小さいモーターで大丈夫…いや、これは相当数の塊!?
圧縮されてるっていうのか?
夢みたいな技術のオンパレードだなこれ。
この転がってる腕一本ですら技術革命が引き起こせるレベルだ。
皮膚も本物と比べて遜色ないし、こんな間接の作りなんて見たこと無いぜ!
ふと、我に返り開発室の一番奥に目をやるとそこには蒼い全身鎧が飾ってあった。
いや、飾ってあるのではなく開発していた?
その全身鎧はバケツのような円柱の頭に三つのカメラを一つにまとめたような複数レンズの目、どんな攻撃でも耐えられそうな重装甲、直線を多用しており正に質実剛健と言うべき姿だった。
しかし鈍重そうな印象は一切感じられず、まるで今すぐにも動き出しそうな印象を持つ鎧であった。
すげえ…こっちはパワードスーツか?
大きいけど2・5mもないけどこの技術力なら相当なモノなんじゃ…
…埃まみれだし貰っていっても問題なんじゃね?
いやいやいや、ここは軍っぽいところの施設だし指名手配されちゃうよ。
でもこれはすごいなぁ…
よし、頂こう。
さくっと盗むことにし鎧の周りを調べてみることにした。
元々、この施設を無断で利用しており食料なども食い荒らしていたので盗もうが盗まなかろうが指名手配されかねないと判断し、何よりもこの鎧の完成度は大学に持って行けばこれからの治療費ぐらいは出してもらえるのではと打算も入っていた。
早速、鎧に繋がれているコードやチューブを外せるかどうか試すために接続されているPCを弄ってみるがやはり文字が読めない。
が、人が作ったものなのだから大体の…本当に大雑把なことはわかるのでエネルギーの充填率がわかれば十分と判断。
どうやらこの鎧…パワードスーツは十分すぎるほどにエネルギーが充填されていたようですぐにでも動かせそう…な気がする。
しかし、この鎧小さいな。
パワードスーツっぽい気配はするが2・2mってところか?こいつ
まあ、いい。
俺の怪我の治療のために頂くか…こういうときはグヘヘってゲスな笑いでもすればいいのかねえ。
と、くだらないことを考えつつ鎧を着込む。
とりあえず四肢を入れたところで電源が勝手に入った。
そしてアジャスト…位置調節機構が働き俺にぴったりになった。
手をグーパーと動作確認を行い、コードが勝手に取れていく。
そして歩き…こける。
それはもう見事なまでにバナナを踏んだかのようにこけた。
重心がががが、と多少混乱しつつ立ち上がり今度はこけないように慎重に歩く。
こけたり立ち上がったりを2時間ほど繰り返しようやくまともに歩けるようになった。
次はモノを掴む動作をしようと前かがみになりまた転んだ。
…がんばろうか俺
かくして俺は鎧と出会い、動乱の中を生きることになった
どんがらがっしゃーん
…とりあえずまずは物を掴む動作を覚えてからだが…
この建物に着てから10回ほど寝起きし食事を適当に取っているがこの鎧の操作は面白い。
どうやら学習機能がついているらしく一度失敗した動作は二度目は大幅に修正を行い三度目からは微調整、10回も同じ動作をすればこけたりすることはなくなった。
また、この鎧はどういう理屈なのかは理解できないが地面を滑るように移動することができるのだ!
間合いを誤魔化したり逃げる素振りを見せずに移動できるというのは大きな利点だと思う。
今は物を掴んだときの力の入れ方の練習だ。
鎧を着たまま食事ができるか試してみたところ可能ではあったがフォークが使い物にならなくなってしまった。
本のページを一枚一枚めくってみたり、フライパンを使ってみたりと着たままでも生活できるように訓練をしてみた。
まあ、実際には鎧を着てるほうが動きやすく傷の痛みも少ないというのが理由だったりする。
開かなかった部屋のドアをいくつか壊してみたところ、どの部屋も同じような作りに同じような物ばかりだった。
幸いにも頑丈そうなカバンを見つけたのでそれに冷蔵庫に入っていた食料をありったけ詰め込み出て行く準備を行う。
もはや探索していないのはシャッターの向こう側だけであった。
カバンにタバコと包帯と消毒薬らしきクスリを入れられるだけ入れれば出て行く準備は完了だ。
出て行く前に自分の傷の様子を見てみることにしたがひどいものだった…。
なぜ生きているのか、なぜ歩いても平気なのかわからないような状態だったのは言うまでもない。
消毒薬を浴び、包帯を巻き、外では下着を手に入れたいなぁと考え鎧に入る。
鎧のほうも既にわかっていると言わんばかりに起動しておりすぐにでも出て行ける状態だった。
うし、じゃあシャッターをぶち破っていきますか!
主人公は工学系大学に入学していますが筆者が入学したことは無いので適当にそれっぽく書きました。
レンズはイメージとしてはスコープドッグみたいな感じです。