"狼の紋章"について
東に森を歩き続け数日が経った。目的地はルベル国だ。
故郷の村は中央国より南西、ルベル国は南東だが、間に森と山があるため、かなり苦労するだろう。
ファルの救助のためと持ってきた物資はそれなりにある。
だが食料は少ないため時折いる魔物を狩り、飯にする。
っとふと経って思った。この力をなんとなく使っているが何なのだろう?
元々魔力は全くなかったが、多分戦闘の時は漲っている気がする。
何故なら父からもらった戦闘中は魔力の肉体強化をしているためか剣は軽く感じるが、
普段は重く、歩くだけで疲れる!何故普段は魔力がないのか。
いや逆だ。何を条件に魔力が漲るのか。
自身の手の甲を見る。…うん炎の見た目でもなければ水とかでもない…”狼の紋章”
大罪の紋章は動物に絵のようになっていると書いてあったが、本当に動物なのだなと感心する。
さて色々実験をしてみた。
まず特徴として、戦闘中魔力が漲ること、そして、物を引き寄せることができる。
…地味だ。大罪というからもっとこう派手だと思っていた。
”物を引き寄せる”物に対し意識すれば目の届く程度はすぐ引き寄せれるようだ。
また、魔力を大量に使うが木などの巨大なものも引き寄せれる。
そういえば、あの時と比べ、木が倒れるのが遅い。重さも関係あるのだろうか。
あの夜との違いを考え、試してみる。
「木が欲しい」
口に出して、言う
すると木は音をたてすぐ倒れた。
うん、意識だけでなく呼ぶと、魔力の消費が少なく、引き寄せの強度が上がる。
「…何故魔力がないのに、紋章が使えるのだろう」
紋章とはいえ魔力は必要だ。無いはずなのに使える。
仮説を立てる 「欲しいと意識すると魔力が生まれるのだろう」
そのお陰で普段は魔力なくとも使えるのだろう。
「…欲を抱けば、魔力になる…か」
本来魔力はポーションや時間を置いての休憩でなければ回復しないはず
これも"大罪"の力なのだろうか。恐ろしい。もし本人にも制御できないほどの欲を抱けば…
「”突如として使い手も消えた”と本に書いていたが、あれは自分の…」
頭を左右に振り、考えていたことを、記憶の片隅に跳ね飛ばす。
今そんなことよりルベルに向かおう。そうすればきっと。…きっと
…何があるのだろう。
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