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ある日の日常

 

「ふ・・・ ふ・・・」


 ブゥンと音を立てる木刀と葉が擦れあう音だけが響く


 幼い頃から聞いているからかこの音を聞いていると気分が落ち着く。


「お〜い アル〜」声が意識の外から聞こえてきた。

 

森の外から父が呼ぶ声だ。


「いま〜帰りま〜す」

 

その声に負けじと返事をし、森を出た。


「おいおい遅いじゃないか〜。鍛錬をするのはいいが、無理だけはするなよ〜。」

 

夕飯を頬張りながら父はゆう


「アルにい、おそい」

 

夕食を先に済ませたであろう妹のファルが駆け寄ってくる


「いえ無理はしていませんよ父さん。いつもの通りのセットをしていただけですよ」

 

返答しながらファルの頭を撫でると部屋に帰っていった。寝る前に顔を見たかったようだ。

 

テーブルに移動し、座る。


「だが、お前、成長したからと回数を勝手に増やしてるだろ〜。」


「それは〜」

 

図星だった。


「はは、だろうな、今のお前なら昔の回数なんてすぐだろう、それに疲労もそこまで感じないはずだ。」

 

父は酒の入ったグラスに口をつけ、一気に飲み干した


「回数が同じだったらな・・。」

 

流石は元騎士団長だ。疲れていないふりをしていてもわかるのだ。


「すみません、、、」


「いや、構わんお前たちが努力してくれるのは嬉しいからな、


 だが、相談ぐらいしてくれてもいいだろう。」

 

母がきて、空いたグラスに酒を注ぐ。


「アル、あなたはまだ10才よ」


「そうだぞ〜お前はまだ若い。普通は剣を持てるかどうかって年齢だ」


 母と父がいう。


「・・・ですがベル兄さんは10才で剣をふるえたのでしょう」

 

母の顔が少し暗くなる。父の顔はとても真面目な顔になる。


「いいか。アル、確かにベルは8才で剣を持ち、9才でふるい、10才で基礎ができた。あれはな・・”天才”なんだよ。アル。」


「・・・分かっています。兄と僕は違うと、だから」


 ”アル”

 

大きめの声で遮られた。それは怒りではなく、優しさと悲しみが混じった声だった。


「ベルにはな普通の人よりも多い魔力量と”紋章”がある。」


 魔力それは大小なれど誰でも持っている。

 

しかし”紋章”これは種類はあれど、人類の一割程しかいないと言われるもの

 

言うなれば生まれつきに宿る魔術と言える。


紋章がなくとも魔法、または魔術は使えるが、魔力効率や出力、


発動の速さなどが紋章の方が遥かに優秀なのだ。


「だがアル、お前には"紋章"もなければ、魔力量も普通の人より」


「ない、でしょう。わかっています。魔力がなければ肉体の強化などもできない。

 ・・・僕には才能がない。」


母の顔がもっと暗くなった。父は沈黙したが、顔は変わらず真面目だ。


「ですが、それでも騎士になりたいのです。」


「たとえ、それがとてつもなく険しく、苦しい道でも・・・」


「”それでも”です。」


父の目を見ながら言った。父も僕の目を見ていた。長い沈黙だった。


「ハハハ」沈黙を壊したのはでかい笑い声だった。


「お前の覚悟はわかった。なら今度から久々に俺も鍛錬に付き合うぞ!」


「さあさ、早く夕食を済ませ、早く寝ろ。じゃないと成長がどっかいっちまうぞ」

 重苦しい空気を跳ね飛ばすようなに話す。


「はい父さん。」

 

母の顔も明るくなったが、何か言いたそうな顔をしていた。

 

まだ少し重く感じる空気があるが気にせず、夕食を食べ、自分の部屋で横になった。

 

疲れていたからかすぐに意識が沈んでいった。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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