02
彼は言葉を理解するには幼すぎたが、その「違い」を理解するには十分な年齢だった。 温もりと寒さの違い。空腹と満腹の違い。そして、静寂と――何かがついに自分に聞き返してくれた瞬間との違い。最初、世界はすべて手触りだけで構成されていた。頬に当たる粗い布、驚くほど慣れた手つきで自分を持ち上げるたこだらけの指、そして夜を遠ざける薪の低く安定した爆ぜる音。
母の鼓動は、彼にとって最初の時計だった。父の吐息は、最初の天候だった。 そして、あの「匂い」が現れた。
それは決まった日にだけやってきた。煙でも、肉でも、大雨の後の土の匂いでもない。もっと鋭く、乾いていて、温かく、かすかに甘い。それはシナモンの匂いだった。ガズはその名前を知らなかったが、彼の体はミルクを認識するのと同じくらい確実に、その香りを嗅ぎ分けた。
司祭は数週間に一度やってきた。彼は辺境の埃には決して馴染まない淡い色の法衣を纏い、まるでおのれの門声が家そのものを乱すのを恐れているかのように、穏やかで注意深い正確さで話した。彼が入ってくると、空気が変わった。目に見える激しい変化ではなかったが、彼の周囲の空間が突然……「注意深く」なったのだ。
ガズは母が背筋を伸ばすのを見ていた。父は頭を下げた――深くはなかったが、敬意を示すには十分だった。司祭が手を挙げ、祝福の言葉を呟くと、あのシナモンが戻ってきた。それは息であって息でない何かに乗って運ばれてきた。空気を動かすことなく部屋を満たし、言葉が終わった瞬間に消え去った。
初めてそれが起きたとき、赤子は泣いた。恐怖からではなく、混乱からだった。手でも思考でもない何かが、彼をかすめていったのだ。それは圧力だった。穏やかで正確な、まるで胸の中にある一本の糸を指先で調整するような感覚。
その時、司祭は優しく微笑んだ。「健やかな魂だ」と彼は言ったが、その視線はあまりに早く逸らされた。
それ以来、ガズはその匂いが現れると静かにすることを覚えた。手を伸ばさずに聴くこと、反応せずに感じることを学んだ。乳児期にあっても、彼は一つの本能的な真実を理解していた。その「圧力」が何であれ、それは自分に向けられたものではないということだ。
霜降の三日目、父が狩りから戻った。ガズは扉が開く前から、父が来るのを知っていた。地面が震えた――危険ではなく、重みによって。重く不揃いな足音と、革のきしむ音が聞こえた。
扉が大きく開くと、血と鉄の匂いが一気に流れ込んできた。腐敗臭ではなく、清潔で濃密な、野生の匂いだった。父はうなり声を上げて獲物を下ろした。猪の死体が、鈍い最期の音を立てて固められた土の床に叩きつけられた。
焦点の定まらない赤子の視界を通しても、ガズはその獲物の大きさを理解した。牙は鎌のように湾曲し、皮は厚く、幾重にも重なった筋肉に傷跡が刻まれていた。それはDランクの野生の猪だった。並外れた技術を持つか、あるいは絶望的な状況にない限り、男が一人で狩るような相手ではない。
「怪我をしているわ」母が囁いた。 「疲れているだけだ」父が答えた。それは嘘だったが、無害な嘘だった。膝をつく父の腕は震え、前腕の浅い切り傷から血が滲んでいた。彼は勝ったが、紙一重の勝利だった。
その夜、暖炉の火は長く燃え続けた。冬の到来を理解する者たちの手つきで、猪は丁寧に皮を剥がれ、切り分けられた。その夜遅く、母が乳を与えたとき、ガズの体は彼女のミルクを通じて伝えられる強さを飲み込んだ。それから彼の成長は早まった――早すぎた。手足は太くなり、握力は強まった。彼の泣き声は、静かな満足感へと変わっていった。
授乳の間、父は彼をじっと見守っていた。その視線に含まれていたのは誇りではなく、計算だった。 「強い」男が呟いた。「強すぎるかもしれん」 「ただ健康なだけよ」母は眉をひそめながらも言い返した。夫は反論せず、ただ頷いて翌日の食事の配分を調整した。
一週間後に司祭が戻ってきたとき、シナモンの匂いが共にやってきた。今回、ガズは泣かなかった。彼は気づいたのだ。
その感覚は司祭の手からではなく、彼らの間の「空間」から発せられているのだと。男が話すと目に見えない何かが近づき、彼が口を閉じると同時に遠ざかるかのようだった。ガズの鼓動は速まらなかった。呼吸も乱れなかった。心の奥深くで、彼の中の何かがただ、一致した。
それは動きではなく、認識だった。司祭の祝福は、岩を避けて流れる水のように彼を通り過ぎていった。
初めて、司祭が眉を寄せた。「……妙だな」彼は呟いた。 「何か問題でも?」エラーラが姿勢を強張らせて尋ねた。 「いや。いや、まさか」司祭は早口で微笑みながら言った。「ただ……静かすぎるのだ」
「静か(クワイエット)」という言葉が、男が去った後の扉に残されたようだった。その夜、ガズは夢を見た。火や怪物の夢ではなく、「場所」の夢だった。目を閉じていても自分がどこにいるのかを正確に把握している夢――腕に抱かれるのではなく、冷たく、空間的な「確信」に抱かれている夢。
目覚めたとき、シナモンの匂いは消えていたが、記憶は残っていた。子供の中の何かが、じっとしていることを学んでいた。ごく静かに。彼は、まだ踏み出し方も知らない「一歩」を待っていた。




