8話
ヒカルは、何の考えもなく、その仕事に応募した。
「ここが、依頼人の家か。」
翌日、朝早くに家を出たヒカル。
地図アプリで依頼人の家までたどり着いたものの、はじめてみるスケールのお屋敷を前に、うろたえていた。
「これって、どうすればいいんだ?」
インターホンがないぞ、この家。
妙に着飾りやがって。
インターホンがないからってオシャレだとでも?
いいえ、ただ不便なだけです!
「田中・ヒカル様」
ヒカルが後ろを振り返ると、執事の服装をした女性が立っていた。
「お嬢様がお待ちです。中に入ってください。」
執事はそういって、門を開けてくれた。
「あの、どうやって俺だとわかったんですか?」
当然の疑問だと思った。
「成田家の経済力を考えてみれば、一般市民の情報くらいは分かります。」
なるほど。
成田家か。
確か、槍術の名門である成田家があったな。
いや、まさか。あの成田家じゃないよな。
でも、これはひょっとすると。
「旦那様、トレーナーの方がいらっしゃいました。」
「入ってきなさい。」
部屋の中から返事をもらった執事は、自身より先に俺を部屋に入れた。
礼儀正しいふるまいを見ると、ほんとうによく教育されているのがわかるんだよな。
「それじゃあ、単刀直入にいうけど、君は娘を治せるのかな?」
「はい。」
ヒカルは、迷わず返事をした。
そして、同時に死の危機を感じていた。
この人、さっきからめちゃくちゃ殺気をはなっているんですけど!?
てか、この顔、テレビで見たことあるぞ。
地球が異世界からの侵略におびえていた時代。
そんなときにあらわれた13人の英雄たち。
伝説のハンターであり、13人の英雄の一人。
日本最強とされるハンターである成田・幽介じゃないか。
「ふむ、まずまずといったところか。」
成田・幽介は驚いていた。
こんな若造が、私の殺気に耐えるだと?
もちろん、本気を出せば制圧できただろうが。
だが、私はそれなりの出力で殺気を放っていたから、大抵のものならば膝をつくことになっていたはず。
「ついてこい。娘に合わせる。」
ヒカルは成田・幽介の後ろについて行った。
「由里、入るぞ。」
成田・幽介は部屋のドアを開けた。
「なによ、また別の人をつれてきたわけ?いい加減にして。」
そう言って起こった表情をしているのは、成田・由里だ。




