5話
「ここはいったい」
田中・ヒカルは病室に戻っていた。
ティリリング!
【ケイロンの強化訓練 進捗率+1%】
あっ!
これって、ケイロンが言っていた受講進捗率ってやつか。
1%だから受講修了まであと99%も必要なのか。
なんだか気が遠くなるんだが?
「田中・ヒカルさん、体調はどうですか?」
看護師の女性がヒカルの病室に入って来た。
「まあ、普通です。」
「そうですか、じゃあ、今日もリハビリに行きましょうか。」
ヒカルはベッドから降りた。
「大丈夫ですか?今、支えますので安心してください。」
看護師の話を断って、ヒカルは言う。
「いえ、普通に歩けるので。」
「はい?」
どういうことでしょうか?
ヒカルの平凡な顔がこちらを向きます。
黒髪の男性の表情は、つい3日前に手術を受けた人間とは思えませんでした。
「どうしたんですか?行かないんですか?」
「いえ、やりましょう。」
看護師はヒカルの問いに答えた。
「じゃあ、ここまで歩いてもらえますか?」
看護師は、これができないことを知っていました。
足の再生手術を受けた1週間のあいだは、寝たきりになることが多く、病院でやるリハビリは、病室を歩くだけにとどまっていました。
もちろん、看護師の支えありきで行います。
だからこそ、病室の外まで歩くことなどできないということは、分かっていました。
「あの、できましたよ。」
「きゃあああああ!」
どういうことなの!?
手術から3日しか経過してないのよ!?
それなのに、この回復速度はいったいなんだというの!!
まるでゾンビです!
「どうしたんだい!?」
看護師の悲鳴を聞きつけて、他の看護師や医者が駆けつけた。
「あの、患者さんが立っているんです!一人で!!」
ヒカルは自分のベッドに戻ります。
「ぎゃああああ!」
「うわあああっああ!!」
駆けつけた看護師たちも悲鳴を上げてしまいます。
「と、とりあえず、ヒカル君は退院ですかね。」
看護師のひとりが発言する。
すると、医者が答えた。
「ああ、そうだね。普通に歩けてるし、今日限りで退院ってことでいいかな?ヒカル君。」
「はい!それで大丈夫です。」
ヒカルはそう答えた。
。
。
。
まさか、受講進捗率1%でこの効果とはな。
たった1%とはいえ、ケイロンのトレーニングの1%なら、確かに効果はすごいはず。
これなら、ハンターになるのだって、夢物語じゃない!
そう考えて、ヒカルは家に戻るのでした。




