10話
「はは、本当に。」
由里は、心臓に丹田をつくることに成功しました。
「これがオーラというものなのですか?」
由里が少し、興奮した様子です。
「はい、由里さん自身のオーラですよ。」
ヒカルが答えた。
「これはいったい?」
成田・幽介はあまりにも不思議な感情に包まれた。
成田・幽介は、世界に13人しか存在しない英雄の一人だ。
そして、「槍聖」の称号を得た人物でもあった。
だが、そんな彼でもできなかった。
成田・由里は覚醒したにも関わらず、才能がなかったのだ。
槍聖は、由里が隠れてトレーニングをしていることを知っていました。
オーラがでないことに焦りを感じていることも知っていました。
だから、貴重な霊薬をあびるように飲ませました。
それでも、オーラが発現することはありませんでした。
なのに。
「まさか、本当に発現するとはな。」
「はい、由里さんに丹田を刺激するようにうながしました。」
?
「丹田とはなんだ?」
この世界のオーラと魔法は、体から溢れるマナをそれぞれの系統に変化させたものです。
そして、それは細胞に凝縮されたマナを使用しているものだという認識こそが世界の常識でした。
もちろん、槍聖もまた同じ認識をしていました。
それなのに、丹田というのはいったいどういうことでしょうか?
「ああ、丹田っていうのは、自身のマナを貯めるための場所です。」
「なんだって!?」
ヒカルの発言を聞いて、槍聖は驚愕します!
当然でした。
ヒカルの発言は、世界の常識を。
世界の認識を根本から覆すものです。
「君はいったい何者なんだ!?」
「八ッ!実は君は魔法化学の天才なのか!?」
はい?なんのことでしょうか?
ヒカルは、槍聖の反応が少しオーバーに感じました。
「ぜひとも君を私の知っている最高の研究所に送ってあげよう!もちろん、今回の報酬はさらに豪華なものにして!!」
「じゃあ、お願いしたいことがあります。」
槍聖はこの願いを叶えてやるつもりでいました。
お願いとは?
槍聖の弟子にしてほしい?ひどく豪華な報酬にしてほしい?
「あ、あの」
「さあ、なんだ?」
。
。
。
「お金をください。」
はい?
お金ですか?
槍聖にお願い事ができるというのに、お金を選ぶ人間がいますか?
もっと、いろいろ有効な願いがあるのではないのですか?
「おい、もしも遠慮しているのなら気にせずに行ってみろ。」
槍聖の言葉を聞いて、ヒカルは安堵した表情を見せます。
やはり、槍聖の予想通り、遠慮して、お金といっていたのでしょう。
「じゃあ、10億円ください。」
「はい?いや、聞こえなかった。」
槍聖は困惑しています。
「すみません、なら9億円でどうですか?」
「やっぱり、8億円」
「7億円!!」
これは、なんでしょうか?
これは、明らかにお金の値段交渉をしています。
「まあ、10億円あげるよ。」
「本当ですか!?ありがとうございます!槍聖様!!」
なんということでしょう!!
ああ、槍聖様!!そして、成田・由里様!!
本当にありがとうございます!!
「まあ、これは本当に。」
槍聖の困惑と共に、ヒカルのトレーナーの業務も終わります。
そして、ヒカルは家に帰る途中、口座を確認します。
「ほ、本当に!!振り込まれている!!」
ヒカルのスマホには、1000000000円の文字が表示されていました。




