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1話

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田中ヒカルは今朝も工事現場で鉄筋を組んでいた。

空は晴れている。けれど、空中に揺らめく“裂け目”が今日も見える。


――ゲート。


百年前に突然現れ、世界を変えた異世界の入口。

電子機器が並ぶ現代の中で、まったく違う文明が混ざり込んだ原因だ。


「また揺れてるな……今日こそ安定してくれよ」


ヒカルは安全帽を押さえながら、壁のようにそびえる巨大ゲートを見上げた。


俺は就職したての新入社員、田中・ヒカルだ。


この業界には望んで入ってきたものの、満足できない。

給料はまあ、いい。

人間関係も、そんなに悪くない。


ただ、一つ言えるとすれば、本当に体力が必要な仕事だということ。


いったい何が辛くて昼休憩にも事務所の机にうつむせになっているというのか。

わかる人にはわかる。

本当にスマホを触る気力もでない。


「ヒカル君は体力をつけなければならないね。」


「日本男児たるもの、筋肉だよ!」


 事務所に入ってきた安西さんが答えた。


 俺は、ただそれなりの暮らしができればいいんだよ。

 特別なものは求めてない。


 。

 。

 。


 ただ、普通の暮らしを、全力で楽しみたいんだ。


「そうだ!ヒカル君はジムに入ってみるってのはどうだい?マッスル!ってやつさ!」


椅子に腰を掛けて安西は言った。


ジム?正直余計なお世話だ。


こんなにも疲れているのに、さらにジムに行けだって?

話にならない。


いや、言葉にもなりません。

それなのに、この安西の顔はいったいなんでしょうか?


笑顔で光り輝いている!

俺のヒカルという名前がふさわしいのはこっちなのではないだろうか。


「まあ、考えてみます。ははっと。」


田中・ヒカルは後ろ髪をいじりながら答えた。


「ああ!ならば、最近できた横浜市のジムにいってみるといい。」


横浜市のジムか、案外すぐいけるな。


っていやいや!いかないからね!?


できるだけ家ではだらだらしていたいんだよ!


「それじゃあ、また仕事を始めますか。」


昼休憩が終わった田中・ヒカルと安西は仕事に向かう。


「おい、ヒカル。他のところ行ってくるから、しっかり仕事をこなすんだぞ。」


 「はい!ご安全に!」


田中・ヒカルは鉄筋工だ。

だからこそ、高所の作業もこなさなくてはならない。


とはいえ、足場には手すりもあるし、なんならハーネスなんて立派な安全器具もついているからな。


だから落ちることはまあ、可能性は少ないってぐらい?


というか、午後の作業もなげーんだよな。


なんだか、やっぱりジムとか行った方がいいのかな。


やっぱり、筋肉があるとポジティブになるよな。


あと、一番は体力がつくこと!


体力は大事だよな。この暮らしを続けたいのなら、確かに筋力から生まれる体力こそが正義といえよう。


だったら、ジムに入会してみるのもいいかも?


田中・ヒカルがそう考えていた時間に、危険は迫っていた。


「ヒカル!!危ない!逃げろ!!」


安西の声が聞こえます。


「え?安西さんですか?いったいなにがあったんで」


俺が振り返ると、こちら側に重機が倒れこんできていた。


その横で、できる限りこちらに近づきながら叫んでいる安西さんが見える。


ゴゴゴゴゴゴッ ゴゴゴゴゴゴゴッ


どんどんと、こちら側に倒れてくる。


間に合わない。絶対に。


今から逃げようにも、ここは階数で言うと、3階。

いまから下に向かっても間に合う確率はゼロ。


もし仮にできるだけ下へ行けたとしても、生き残る確率は低いでしょう。


そして、何より今はハーネスを付けた状態。

なんとかしているが、動揺して全然とりはずせない。


安西のこえがきこえる。


「aksdjiwoakjf」


何を言っているのか、重機の音で判別できない。


いや、動揺しているせいだろうか。


あ、だめだ。



田中・ヒカルが目を覚ますと、そこは病院だった。

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