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(危険因子編)溢れる黒き獣

走って走って走って、走りまくって道が途切れるまで全力で走った。


「行き止まり?」

『主よ途中に分かれ道があるのに気づかなかったか?』


予想外の出来事に呆けてつぶやくと剣からの冷静な指摘が頭に響いた。

気づかなかった、まったく気づかなかった。


「そう言う事は早く言えよな……」

『あまりに自信ありげに走っているものだから分かっているものだと……しかし、行き止まりとは痛いな』

「気にしてるから突っ込まないでくれ」


ため息交じりそう返し、来た道を振り返った。

分かれ道か……一つずつ確認していくしかないよな。

気配読む練習とかしたけどなんか微妙だったし……。


「なぁ、お前ってセシルの気配とか読める?」

『普段なら可能なのだが……ここは読みにくいな。まるで個人の気配が遺跡の気配に負けているようにな。天使殿から受け取った書に記されているものを使わないとどうにもならないだろう』

「じゃあ、使うか?」

『前にも同じようなことは言ったがあれに書かれてあるのは強力すぎる、どんな影響を及ぼすか分からないぞ? 魔王殿に治癒をかけてヘルメイアの荒地が緑豊かになったので分かっているだろう?』

「まぁ、いいから使おう。グダグだ言ってても仕方がない」

『主が良いなら構わないが。今回のものは、神の力そのもの、魔法という形を取れないものだから。自分が神様になった気持ちでやってくれ』

「なんか痛い子じゃないか」

『探す気がないのか?』

「分かったよ」


いつもこういうのを使うときは集中する必要があるので目をつぶって剣の言葉を待つ。

そう言えば俺人間なのに神の力とか使って大丈夫なのか?

ふとそんな疑問が浮かんだが、わざわざ使うための道具と使い方を教えてくれる物を神様がくれたのだから問題ないと結論付ける。


『それじゃあ、主よ。世界に主のお仲間がどこにいるか問え』

「……どういうこと?」

『そういうことだ』


分かって当たり前みたいに言われてもな。

あんまり、ピンとはこないが言われたとおり声に出して問いかけてみる。


「世界さん、セシルってどこかな?」

『敬称をつけてどうする。ランクにもよるが基本的に神は世界よりも格上だ』

「そう言われてもな」

「それに人間としての常識にとらわれている。自分は神だと思い込め」

「もう無茶振り過ぎてなにもいえないよ……」


もう地道に探していくしかないかと思っていると低いうなり声が遺跡に響いた。

人間のものではない獣とか偉業とかそんな感じの声だ。

突然の事に首をかしげていると暗がりから鋭い爪が飛び出した。


「うわっ」


咄嗟に剣を振るうと金属音がして黒い獣が着地する。

牙をむき今にも飛び掛ろうとする、獣から禍々しい気配がする。


「剣に触れて吹き飛ばないってコイツ一体なに?」

『地獄の獣だな』

「なんでそんなのがここにいるんだよ」


常識的に考えて地獄の獣ならおとなしく地獄にいるべきだろう。


『主のお仲間が召喚したようだな』

「セシルが?」


セシルってこんな妙なもの召喚するほど悪趣味だったか?

前に見たときはもっと見た目がきれいなものを召喚していたと思うけど。

それとも何かあったのか?


『まぁ、これで主のお仲間が探せるぞ。この獣がどこから現れているのか追えばいい。さぁ、主よ。キッテキッテ切りまくるのだ』

「なんか楽しそうだな」

『剣だからな。引き裂くために使われることが一番の喜びだ。切るものにもよるが』


剣を振り上げ目の前の黒い獣を切り裂いた。


○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


「お前ら何のつもりだっ!!!」

「それはどちらかというこっちの台詞だと思うんだけど」


振り下ろされる大剣を闇で遮り距離をとる。

それを繰り返す戦闘が始まったのが、こいつ等が起きてイキナリ何のつもりだって襲い掛かってきたのが始まり。

あきれ気味にブラッドを見ると聖職者と魔法のぶつけ合いをしながらこちらを見て僅かに顔を顰めた。

どういう事だと聞きたそうな表情だが生憎、俺も分からないので肩をすくめるとまた防戦一方の戦いを再開する。

下手に手を出すと後が面倒そうなんだよなこいつ等が気絶してるの見てセシルが怒鳴った訳だから下手なことするとキレそうだしねあいつ。

でも、そろそろこれ続けるのも辛いかな?

多少手を出すぐらいはセシルにも見逃してもらおうかな。

闇を広げ相手を包み込むように放ち、ドサクサにまぎれて罠を仕掛ける。

予想通りすぐに闇の中から抜け出した騎士・ミカルが俺に切りかかろうとして罠へと足を踏み込む。


「くっ、小賢しいまねだな! 正々堂々戦えよ!」

「って、言われてもこういうスタイルだからね」


あっ、さっきの攻撃当たったら多少じゃ済まないよね……まぁ、結果オーライで良いか。

イキナリ首をとられないようにミカルから距離をとる。


「うん?」


妙なうなり声が聞こえたような気がしてセシルやセイヤが消えたほうに目を向ける。

獣の声か、でも何でこんな所に?住み着いてるとは考え難い。


「なによそ見してんだよ!!」

「いや、他に気になることがあったから」

「っ、ふざけやがって!!」

「ふざけてるつもりは無いんだけどな」


闇を間において会話をしていると不意に鋭くとがった牙が視界に入った。

あぁ、これはやばいかな。悪いけど……。

心の中で謝ってミカルを思い切り蹴り飛ばして、現れた獣を闇で飲み込む。

もう一方の戦闘組みをみるとこちらは一足先に戦闘を中止したらしく、続々と現れる獣を一掃していた。

さっき吹き飛んだミカルを見る。


「俺たちも休戦して、あれでも一掃する?」

「人のこと蹴り飛ばしておいてよくもそんな事を……」


攻撃してくる気配は見られなかったので小言を無視して、襲い掛かってくる獣に相対した。

それにしても、こいつらセシルの召喚した獣だよね?

なんで俺たちに襲い掛かってくるのやら。

それになんかセシルの趣味変わったぽいね、妙にグロテスクだし。

本当にどうしたのやら。

すこし、終わりを計画できていないところがありますがおきになさらずw

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