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(世界のいろいろ編)全てを壊す

くそっ、どこに行ったわけあの蛇女!

さっさと捕まえて誰が二人に手をだしたのか吐かせたいのに。


「――っ、なに?」


後ろから、すっと肩捕まれ首筋へとナイフが当てられる。

イライラするあまりに周りにあまり気を配れなかったみたいかな。

失敗しちゃったよ、最低。


「なにって、あなたの首筋にナイフを当てているのよ?」

「そうじゃない、なんで殺さなかったのか聞きたかったんだけど、こんな事する余裕があるなら殺せたでしょう?」

「あぁ、そういう事をするわけにはいかない事情があるのよぉ。まぁ、油断していてくれてよかったわぁ。真正面から戦ったんじゃこうは行かないものねぇ?」


悪戯にナイフでやさしく首がなでられた。冷たい感触がして首の薄い皮が裂ける。

血が体を不愉快になでながら体を伝う。

耳にフッと息を吹きかけれて、悪寒が走る。下手に動いてナイフに切られないように必死で体が震えるのを抑える。


「ねぇ、あなたイライラしてるわよねぇ? なんでかしらぁ……」

「ナイフを突きつけられて相手の気分しだいで生死が決まるのにイライラしないと思う?」


真後ろにいる相手を睨むことなんて出来ないから何もない虚空を睨みつける。


「そうじゃないでしょう? その前からイライラしてたじゃない。なんで?」

「言われなくても分かってるでしょ。それとも君馬鹿なの?」

「う~ん、あの二人に誰が手を出したか私が教えないから?」

「教える気でもあるわけ?」


もう、この女さっきから何のつもり?

ちょっかい出してきたり挑発してくるばかりで用件を何も言ってこない。

その上ゼロ距離って言うのが耐えられないよ……、この女苦手なのに。それを見越したように女は体を密着させてくる。


「ねぇ、セシル? 本当は分かってるんじゃなぁい? 誰がやったのか」

「知らないし、なんで僕の名前知ってんの?」

「ねぇ、本当は分かってるんでしょう? あっ、分かってるのに自覚してないのかしらぁ」


こいつ人の話完璧に無視した……。

分かってるのに自覚していないってどんな人格破綻者?

僕が耳が苦手だと分かってか相手が唇を耳に寄せられ囁きだす。


「そもそも、あなたの考えっておかしいのよ? 分かってるかしら?」

「おか、しい。の、は、あんたの頭だと思うけ、ど」


不自然に切れる自分の言葉に余計にイライラする。


「だってねぇ。いくら私でも、貴方にしてるみたいに不意打ちを仕掛けたり罠をたくさん仕掛けてたりすればあの二人を倒すのははありえない可能性でもないでしょ?」

「あく、まで、かの、うせいでしょ。か、ぎりなく、ひくい」


今度はスッと内腿撫でられる。体が意思とは反してビクッと震えた。

もう、本当にこの女何がしたいわけ。


「そうよ限りなく低いわ。そうじゃないにしても私が誰かと共闘したりって言う可能性もあるわ……でもね、あなたは誰がしたって私が関わっている事は無いと断言するようなことを言ったのよ? 私しかあの場に居なかったのにもかかわらずにねぇ」

「それ、は……」


意識がぐらつく……そういえばこの女、精神系の技使うんだっけ?

気付くのの遅すぎだよ、僕。これじゃ、もう手遅れ……。


「二人に手を出したのわね……」


女が一言喋るごとにどんどん意識が遠のいていく。


「あなたにとっての初めての居場所を作った人……」


今度の一言で今度は心が悲鳴を上げ始めた。

聞きたくない……聞きたくない、やめてくれと。


「そしてあなたとあなたの居場所を捨てた人……」


ずっと、夢で何回も無理やり見せられた記憶。

絶対に思い出したく過去が頭の中を高速に流れていって。フラッシュバックする。


「二人に手を出したのはラウルよ?」

「イヤダァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」


いつの間にか自分を拘束していた腕は外れていた。

それでも僕は、相手に反撃をすることもなく、喉が張り裂けるほどの叫んだ。

何も見えない……何も聞こえない……真っ暗……冷たい……光はどこ?


「でも、大丈夫よぉ、ラウルは優しいからあなたにまた居場所をあげると言っていたわ。だけど、そのためには今の居場所を壊さなきゃいけないの……」

「こわす……」

「そうよ、壊すの全部壊すのよ。光が欲しいでしょ? 暖かな温もりが欲しいでしょ?」

「光……暖かな温もり……欲しいよ。……ほしいよぉぉ!!!」

「なら、壊すの全部壊すのよ、そしたら全部戻ってくるから」

「壊す……」


頭を上下させてただ頷いた。

ラウルさん……会いに行きますから、あなたのところに帰りますね……全てを壊して。

ちゃんとシリアスになってるかなぁ?

微妙にセシル君の口調を変えたりしてるんだけどね~

なにかアドバイスがあればお願いします。

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