(世界の色々編)分断
俺たちは湿っぽい遺跡の中へと足を踏み入れていた。
セシルが言うにはここで戦争が起きるか起きないかの戦闘が行われるらしい。
それにしては静か過ぎると思う……たぶん。
「妙に静かだね」
「そうだな、話の割には魔力の乱れが感じられない」
リオネルとブラッドの会話を聞いて自分の考えが間違っていなかった事が分かる。
それにしても、戦争がおきるか起きないかってどういう状況なんだ?
セシルに聞いても。そう報告があっただけで詳しいことは分からない。って返されるだけだし。
なんにしても、実際見れば分かることだよな。そう思って足を進ませていると少し広い場所に出た。
なんか戦闘に打ってつけの場所って感じなのに、ドンパチやってないな。
「レティシア、ミカル!? ――誰がやったの教えなさい!!」
「あらぁ、私がやったっていうのは?」
セシルにしては珍しい鋭い声が聞こえてそちらを向くといつかの怖いけど綺麗な女の人と壁に寄りかかるようにして倒れている人の姿見えた。
これって、ドンパチした後ってことだよな? あの二人は生きてるみたいだけど……。
「ありえない! 実力的にどちらか一方を相手にするので互角なはずだよ。ふざけた事言ってないでさっさと喋ったらどう?」
「悪いけど、そんな義理ないしねぇ。バイバぁイ」
軽く手を振るとそのまま身を翻して遺跡の奥へと姿をけす。
「くそ、あの白蛇。……ごめん、二人の様子を見てて!!」
それだけ言うと、それを追ってセシルも遺跡の奥へと姿を消した。
「えっ、ちょっ、セシル!?」
慌てて追いかけようとして後ろを振り返った。
「えっと――」
「追いかければ? 別に様子見るだけだしね」
「好きにすればいい……」
言い切る前に察してくれて、二人がそう返した。
「悪い、じゃあ」
遺跡の奥へと走りながらセシルの様子を思い出す。
大丈夫かな、あいつ。なんか最近様子おかしいし、それにさっきだってセシルならあの二人が生きてるってことだって分かっていたはずだ。それなのにあの言動。思ったことはストレートに言うほうだとは思うけどいつもならもう少し皮肉っぽく言うだろう。
「大事にならなきゃ、良いんだけど……」
ブラッドの時みたいに行ったら終わっていたなんていう展開はもうごめんだ。
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セイヤの姿が消えるとセシルに言われたとおり律儀に気絶した二人の面倒を見ている、ブラッドを振り返った。
「様子どう?」
「……大丈夫だ、軽く殴られただけだろう」
「軽く――ねぇ」
この二人を気絶させるぐらいだから、軽くは思えないんだけど。
まぁ、きれいに気絶させてるし加減してるのは間違いないかな。
問題は何で気是させる程度にしたかか……まぁ、どうでもイイでしょ。
そんなことセシルに頼まれた覚えないし、まぁ頼まれたこともブラッドがやってるから、何にもしてないね。
「そろそろ起きそうだな……」
「ふ~ん、起きたらどうする? 放っておいて二人を追いかける?」
「お前はどうするんだ?」
「別に、どっちでも」
どっちにしても面倒そうだしね。
そう言えば、あの女何でこんなところにいたんだろう?
……それもどうでもイイか。
俺に直接関係が限りはね。
さぁさぁ、マイゴッドよ。
自分に小説の続きを書く力を!!!