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(ヘルメイア編)ショタ騎士とショタコン聖職者

「ショタ騎士とレティシア元気かな~?」


食事中、真っ青で食べられるのかと疑問に思うような木の実を手に持ってセシルがそんなことを呟いた。

太ももに巻きつけてあったナイフを一本取り出してりんごの皮をむくような感じできれいに皮をむき始める。


「レティシアはともかく、ショタ騎士ってなんだよ?」


当然の疑問だろう、しょた騎士なんて怪しい発言をして気にしないやつがいるはずない。

セシルは皮むきのしたまま顔をこちらへ向けた。とりあえず、危ないから手元を見てくれと心の中で突っ込みながらも、声には出さない。

だって、ショタ騎士が何か気になるし。……別にこれぐらいなら薄情にはならないよな?


「言葉のとおり、ショタな騎士のことだよ。それとも、ショタの意味がわからない? まぁ、幼い感じの男の子たちのことを言うんだよ? ちなみに、そういう子達のことを……」

「いやいや、ショタの意味はわかるって。そうじゃなくて、そいつって何?」

「知り合い……まぁ、親しいほうだから友達かな?」

「そうでもなくてな」

「じゃあ、セイヤくんはなにが聞きたいの?」


本気でわからないと言った様子でセシルが眉をひそめた。

面倒だが、どうにかショタ騎士が何かを突き止めるために、聞きたいことを丁寧に具体的に考えていると。

予想外なところから説明が入った。


「ショタ騎士って言うのは、多分リーンゼルで最強と言われて有名な騎士の事だと思うよ。ミカル・アレニウスって名前だったね確か。リーンゼルにお前を襲えっていう依頼受けた時に気になってチラッと見たけど、確かにあれはショタだったよ。最強の騎士とか言われてるぐらいだから、厳ついとばかり思ってたけど拍子抜けだったかな。っとセイヤの知りたいことはここら辺かな」

「そうだけど。平然と俺を襲うって事実を出すなんてどうなんだよ?」

「じゃあ、良いでしょ。それに、もう過ぎたことだし今更襲わないよ」


そんな会話をしていると珍しく(と言うかはじめて見た)食事をしていた、ブラッドが手を止める。

顔をあげ、俯いて食事をしていたからだろう。目に掛かっていた、青がかった夜空色の髪を手で払う。


「ちなみに、レティシアと言うのは、リナリアの聖教徒部隊の重鎮だ。ミカルと同じく、強いと言うことで有名だな。フルネームで言うとレティシア・ファーゲルホルムだったか」

「へ~」


なんで、聖職者が強いんだと言う疑問が頭の中で渦巻いたが、途中でどうでも言いかと自己完結させる。

この話の発端となったセシルに目を向けるとほのかにピンク色に染まった果実を幸せそうに頬張っていた。果実はおそらく先ほどの真っ青な木の実だろう、外見に反して中身は随分と美味しそうだ。

モグモグと小動物のように口を動かしてごくりと飲み込む。


「二人とも詳しいね~、それとも、常識かな? さっきのでセイヤくんの知りたい情報分かったわけだ。良かった、良かった」


セシルが一息ついて、遠くを見るような目で窓の外へと目を向けた。


「本当に元気かな~、あの二人」


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


「ヘクシュン!」

「あら、寒いのミカル? 寒いなら私が抱きしめてあげる」

「いい!!」

「そんな、即答しなくても、残念」


あぁ、あんなちっちゃくて、体よりも大きな大剣背負って、ほっぺたぷにぷにで。抱きしめられないのが本当に残念。

抱きしめるよりも先に食べちゃいたいぐらいだわ。

さっきのくしゃみで少し涙目になりながら自分の体をさする姿、良いわ。とてつもなく良い……。


「寒いってか、なんか、噂されたって感じだし……レティシア目が怖い」

「あら。そうかしら? 肉食獣のような目をしているとは思うけれど」


無言でミカルが数十歩、身を引いた。

う~ん、恐怖におちいってブルブルと震える姿を見ることができるのは、それなりに良いけど、離れられるのは困るわね。


「冗談よ、戻って来て頂戴。これから、話し合わなきゃいけないこともあるのでしょ?」

「…………分かった」


しばらく訝しげにこちらを睨んでいたけれど、あきらめた様子でテクテクと戻ってくる。

良いわ、本当に良いわ。ショタって最高よね、まさしく正義だわ。


「やっぱ、目が怖い」

「これはもう気にしないで、標準仕様だから」

「本当に聖職者?」

「この服を見て分からないの?」


腕を広げて自分の服装をアピールする。白い布地が揺れた。

今私は、銀の十字架が刺繍された真っ白い修道服に身を包んでいた。断言しておくけれど、なにかの真似事や仮装ではないわよ?

諦めたように息を吐いてヤレヤレと首を振るような、見た目に合わない行動をすると本題を切り出した。


「今、リナリアの上層部ってどんな感じ?」

「あなたの思っているとおり、戦争やりたい戦争やりたいの繰り返しだけれど」

「だよな。セシルが居なかっただけ良かった、もし居たらすぐにでも戦争が始まるもんな。リーンゼルとリナリア」

「戦力がこちらに傾いていると、愚かな方々が思っているようだからね」


まぁ、確かにセシルが抜けていたのは良かったかしら。

実際、居たりしたらすぐにでも戦争が起こるのは間違いないもの。

このままだと、どっちにしても戦争が起こりそうだけど。


「そう言えば、あいつって元気なのかな~?」

「あったら、初めに口喧嘩するのにやっぱり心配なのね」

「うっ、うるさい!!」


顔を真っ赤にして、叫んでいるミカルを恍惚とした気分で眺めて、思ったままの本心を語る。


「大丈夫よ、あの子は元気にやっているわ、よっぽどのことが起きらない限りだけど」

「なんか、不吉だな……」

「と言っても、よっぽどのなんて起きないと思うけど」

「まぁ、そうだよな。大丈夫か」

「えぇ」

あ~、なんだか、趣味前回ww


これで、重要人物あと一人……

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