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(旅の始まり編)異世界の地

「って、出たところが雲の上とか聞いてない!!!!」


ただ今自分は超高速で地上に向かって落ちています。

ここで自分は死ぬのでしょうか? て言うか普通に死亡フラグでしょこれ!?


「ぐっ…………」


大きな衝突音と全身に強い衝撃を感じた。

どうにか生きて地上へと辿りつけたらしい。

身を起こして体に異常が無いかを確かめる。

関節が変な方向に曲がっていたり、捩じれていたりもしていないのを確認すると深呼吸をした。

自分の体が大丈夫だということが出来たら次は、周りの状況の確認だ。


「へ……?」


顔を上げるとなぜか、目の前が茶色だった。

よく確認してみると自分を中心にして、地面が抉れている。

地面に激突した衝撃でクレーターが出来たらしい。

どうやら、自分は隕石野郎になれたみたいだ――全くうれしくないが。


「にしても、何にもないなぁ……」


立ち上がって、とりあえずクレータの外へと出てみるが草原が広がっているだけ。


「でだ、自分はこれからどうすれば良いんですかぁぁ!!」

「とりあえず、この世界での生き方と説明を聞けば良いわ」


そう叫んでももちろん誰も返事はしてくれずってあれ?

今、背後から声が……


「ってシャーロット!?」

「どうも、思ったよりも早く再会できたわね」


それは、どこからどう見ても扉の前でお別れをした、白い翼を持つ女の子なわけで……なぜここに居る?


「まぁ、私がここに居るのは、神様が説明し忘れた内容を説明するために来たの、一回しか言わないからよく聞きなさい」


シャーロットは一回静かに目を閉じると説明を始めた。


「まず、この世界には、魔物やら亜人種やらなんだか色々と居ます。次にあなたに与えられた能力は魔人並の身体能力と無限に近い魔力、そしてそれを駆使してイメージしたものを発動できたり出来ます。殺されそうになったら迷わず力を使って倒してしまいましょう。一応補足だけど神になりたいとか割りに外れた事は出来ないから」

「…………もしかしてそれで終わり?」

「えぇ、終わりよ。それとこの辺りにちょうど良いモンスターが居るからそれの相手でもして能力を試すと良いわ、じゃあね~」

「ちょっ!!」


必死に止めようとしているのにも関わらずシャーロットは笑顔で手を振ると光に包まれ、数枚の羽を残して消えてしまった。

仕方が無いとその場に座り込む。

せめて村か町がどっちにあるかぐらい教えてくれても良かったのにな~。

そう言えばここら辺にちょうど良いぐらいのモンスターが出てくるとか言っていたが……


「キィャァゥ!!!」


なんだろう? 恐ろしく不気味な声が聞こえたような気がするのだが。

恐る恐る、振り返るとそこには目に痛い色のグラデーションになっている、得体の知れない化け物が……もしかするとシャーロットの言っていたのはこれの事だろうか、とても丁度良いには見えない。

つうか、ボスモンスターだろこれは。むちゃくちゃ大きいし。


「っ!?」


こっちの心理状況なんか気にせずに化け物が大量にとげやら瘴気っぽい何かをこちらへ撃ってくる、どう考えてもあれが当たったりしたら、ただではすまないだろう。

案の定、それに触れたものはシューっと音を立てて熔けていく。

まぁ、こんな時の最善の選択は……逃げるだな。

ありがたい事に身体能力が上がったのは本当のようで風になったかのように身が軽い、これなら余裕で逃げられるかと思うと蔓のようなもので塞がれた。

後ろを振り返っても左右を見ても同じだ。さてどうする?

このままでは、間違いなく死ぬ、自分の本能がそう告げていた。

能力説明で、シャーロットはイメージしたものを発動できるとか言っていたけど。

体に変化が現れたわけでもないしなぁ、本当なのだろうか? 取り合えず試してはみるけど。

試しにイメージを口に出して言ってみる。


「えっと、この蔓がすべて、炎に焼き尽くされる」

「キィャャ」


あまり、期待せずにそう言うと蔓が一瞬で灰になった。

本気(マジ)で出来てしまった。

これって、あれか。自分最強フラグ?

なるほど~、自分強いんだな……それなりには。

自分の口の端がつりあがるのを感じた。

急に空が暗雲に閉ざされる。


「……落ちろっ!! 落雷」

「キィァァァァァァァ」


化け物は意味不明な叫び声を上げると霧散した。

……倒しちゃったよしかもかなりあっさり。


「よっしゃぁぁ、何気に最後のセリフかっこよかったし」


中二病マックスな感じだったが、ちなみに自分は17歳だ。もう、中二は卒業している。

まぁ、それでもたまには言ってみたくなるのさ、エターナルフォースブリザード!! って叫びたくなるもんだろ?


「くックイーンパラサイトをこんなにもあっさり……」

「あっ、ねぇこの近くに町とかない?」

「ショッ将軍に報告せねば」


後ろを振り返ると兵が居たので町を聞こうとしたが目が合うなり一目散に逃げてしまった。

この世界ではシャーロットと言いさっきの兵士と言い、町のことを聞いたら逃げるのが普通なのだろうか?



○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


「あ~あ、さっさとクイーンパラサイト倒して探しに行きたいな~」

「しょっ、将軍!!」


天幕の中に居ると偵察兵がイキナリ転がりこんできた。

どうしたのだろう? 自分の指揮下に置かれてる兵士が慌てることなんて滅多に無いのに。


「どうかしたの? そんなに慌てちゃって」

「謎の衝突が起こった場所に、くっクイーンパラサイトを一人で倒したものが、それも無傷で」

「それ程度は予想の範囲内かな?」

「そっそうですか……」

「じゃあ連れて行って」

「きっ、危険です!!」


偵察兵が渋るので少し脅しめいた事を言ってみる。


「もしかして、僕じゃ負けると? それは僕に対する侮辱って事かな?」

「いえ、そういうわけでは……」

「なら連れて行って、いざとなったら逃がしてあげるから」

「……了解しました」


偵察兵が了承したのでなら早く行こうと急かす。

多分、おそらく、きっと、そこには空から落ちてきた人物がいるだろう。

楽しみだな~。


○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


兵士が一目散に逃げ去ってから、特に動く気にもならず俺はずっと空を見上げていた。

雲が千切れたり形を変えながら空をゆっくりと流れていく。


「あっきみきみ~」

「ふえ?」


肩を急に叩かれたので、後ろを振り返ると金髪で碧眼の同い年くらいの子が居た。

中世的な外見をしているが服が男物だったのでおそらく男だろう。


「ふわ~、思ったよりも良い顔――楽しめそう」

「そっ、そう……」


危険な香りのする発言をされたような気がするが、とりあえず友好的なので良しとしよう。

ほら、異世界に飛ばされた的な話でイキナリ武器を突きつけられたり、戦闘を強要されたりするだろう?

金髪碧眼男の子がすっと横に座る。


「君ってどこから来たの?」

「えっと、異世界?」


あっ、まずい思わず本当の事を言ってしまった。

普通の人間が聞いたら間違いなく痛い子だと思われる発言をしてしまった。

言い訳をしようと口を開こうとすると金髪碧眼の男の子が意外な反応をした。


「ふ~んそっかぁ、大変だねぇ」

「えっ? 疑わないの?」


俺が疑問の声をかけると金髪碧眼の男の子はこちらを向くとニコッと笑って、空を指差した。


「だって、君が空から落ちてくるのを見たんだもん」

「あっそうなんだ」


そういうと金髪碧眼の男の子は、立ち上がって埃を払った。


「じゃあ、とりあえず自己紹介、僕の名前はセシル・クラフトだよ。君の名前は?」

「えっと、江入星矢いや、何かこっちは名前が横文字っぽいから、セイヤ エイリのほうが良いかな?」

「ふ~ん、ちょっと変わった名前、でも、かっこいいかも。……それじゃあ、セイヤくん実は王都まで来て欲しいな~って思ってるんだけど来てくれない?」

「えっ? 良いけどなんで?」


とにかく人の沢山いる所に行きたかったので大歓迎だが。王都に招待されるような覚えがないので探りを入れる。


「うんとね、セイヤくんここにいる化け物倒さなかった?」

「あっ、うん倒したけど……もしかしてまずかった?」


聞いてみるとセシルは首を振る、ではなんでなのだろう?


「寧ろ、ありがたいんだ。僕の率いる隊が倒す予定だったから手間が省けて良かったし、だからお礼にね?」

「あっ、そうなんだ、うん別に良いよ」


王都なんだから、お礼も大きなものが期待できるし断る理由が無い、寧ろ喜んでいこう。

それよりも、僕たちの軍って事はセシルは、隊長か何かだろうなのか? 似合わない……

人は見かけによらないとはこのことだな。


「よかった、助かったよぉ、ちょっと待っててね」


すると、急に俺から離れていった。

そして兵士になにか耳打ちをしていた。

よく見るとその兵士はさっきの兵士だった、セシルの部下だったらしい

用件を済ませらしい、セシルがすぐさまこちらに駆け寄った。


「じゃあ、僕たちだけ先に王都にいこっか」

「えっ、でも軍だったら兵士が居るんじゃ、て言うかどうやって行くの? 全然それらしきもの見えないけど」

「軍のことはさっきの兵士に言っておいたし、移動手段はねぇ、……フリィ」


一度言葉を切って、セシルが虚空に呼びかけるようなことをすると、そこから普通の馬より一回り大きい、そして翼と角が生えた美しい馬が出てきた。

ペガサスとかそういうものだろうか、でもペガサスに角とかあったか? 取り合えず、天馬でいくか。


「この子に乗ればすぐだよ、ほら後ろに乗って」

「あっ、うん」


先に天馬に乗った、セシルが乗りやすいように手を出してくれた、その親切心に感謝して手を掴んで後ろに乗る。


「じゃあ、いくよぉ~」

「うわっ、なんかドキドキするかも」

「えへへ~、期待すると良いよぉ」


天馬が大きく一回羽ばたくと、一気に速度を上げて文字通り空を駆けた。

すごく風が爽快で気持ちが良かった。

イキナリ、セシル君と星矢くんが出会っちゃいました。

ちなみにセシル君は実は女の子でした落ちとかはありませんよぉ

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