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(ヘルメイア編)城内で迷子の勇者様

「やっ、やばい迷子になった……」


あの後、セシルの召喚したドラゴンでヘルメイアへ一直線でその日のうちに王城へ到着することができた。

それで、ブラッドは魔王としてのやることがあるとか何とかで連れて行かれて、リオネルは部屋でゆっくりしたいと言い。セシルは、風呂に入りに行った。

自分は、特にやることが無いので城を探検してみようと思ったのだが、迷った。

町の中ではともかく、ついに室内でも迷ってしまった。17歳なのにな……。

なんか、考えると悲しくなってきた……。取りあえず、行動しようか、そうしたら、きっとこの悲しみも消えてくれるさ。

と言うことで再び歩き出したのだが、なんかどんどん元の場所から離れって行ってる気がする。

こんなに方向音痴だったかなぁ、おれ?


「どうしたのっ?」

「えっ? あぁ、セシルか。もう、風呂入ったのか?」

「うん、入ってきた~」


確かに白い肌に少し赤味が差して、髪も若干濡れている気がする。

そうやって、セシルを眺めているとあることに気がついた。


「その服どうしたんだ? と言うかそういう服着てると男ってよく分かるな、細いけど明らかに線が男だし」


セシルは、今まで見たことが無い服を着ていた。袖なしの服に短めのズボン、手のひらから二の腕あたりまで覆っているアームカバー、ブーツ。

それとなんか、色んなところにナイフやら、巻物やらが取り付けられているし、少なくとも寝巻きではないだろう。

まぁ、服そのものが寝るときに着るようなものではないが。


「あったりまえじゃん男だもん」

「まぁ、確かにそうだ」

「なに、その反応? 別に良いけど……。えっとそれで、この服だっけ? 前着ていた服はリナリアの将軍服だったからね、銀の十字架は聖王国への忠誠の証だし。自分を消そうとした国に忠誠なんて誓えませんって事で、着替えてみました~」


まぁ、理由がなんともセシルらしいな。


「ちなみに調達先は、いつかの仕立て屋さんだよ~」

「あぁ、ソフィーが作ったんだ。俺のやブラッドのも作ったんだよな? 作るの上手だよな」

「まぁ、それが仕事なんだし、当たり前って気持ちもあるけど、確かに上手だよね~、何より早いし」

「そう言えば、リオネルのだけセシルが服用意してないな」

「う~ん、そうだけど、リオネルくんは、センス良いから僕が用意する必要なしって感じがするかな~」

「言われてみれば、確かに……」


薄めの動きやすそうな服は、機能性を重視しているんだろうけど。

色使いとかが爽やかですごく似合ってるよな~。


「顔が良いやつは良いよな~」

「セイヤくんがそれを言うんだ……、自覚なしにも程があるよね」

「うん? どういうこと?」


自覚が無いって何のことだ? 首をかしげていると、はぁ~とセシルがため息をついた。

本当にどうしたんだろう? セシルがため息をつくなんて……明日、火とか降きそうなきがする。


「なんか、失礼な事考えなかった?」

「いや、何も考えてないけど……」


言いつつ、何気なく目をそらす。なんだセシルついにエスパーにでも目覚めたのか?


「ものすごく怪しいんだけど……、まぁそこはスルーしよう」


ふーっと息を吐いた、危ない危ない。

ばれたりしたら、そんな悪い子なセイヤくんには、罰ゲームとか言って滅茶苦茶なこと要求されそうだし。


「それでだ、最初の質問に戻るけど、なんでこんなところにいるの?」

「えっ? あぁ、うん、え~っと、……冒険だよ、冒険!!」


イキナリのその質問に、ドキッとしながらも。苦し紛れにそう叫んだ。

これなら、大丈夫だろう、最初にそう声をかけたし。なんとしてでも迷子だということは隠さなければ。


「本当に? さっきまで、僕もそう思ってたんだけど。さっきからここら辺ぐるぐる回ってるよね?」

「えっ、うそっ!? いやっ、ここら辺が少し興味深くて」


思わず出てしまった、その言葉を飲み込んで言い訳を口にする。

セシルが目を細めて、グイッと顔を近づけて来た。


「……迷子?」

「いやっ、そんなわけないじゃないか~、アハハハ」


セシルがさらに顔をグイッと寄せた。

乾いた笑いが漏れる。


「今、何歳?」

「17だけど…… て言うかもう迷子とか聞かないの? 決定なの!?」

「よく迷うよね~、セイヤくん。萌えでも狙ってるの?」

「スルーしちゃうのかよ!! つか、狙ってないからな!! そんなの!!」


狙うわけが無い、そんな妙な思想は持っていないぞ! いや、ホンとだからな? マジだからな!?

それ以前に萌えなんて言う言葉こっちの世界にもあったんだな……。


「まぁ、セイヤくんが萌えを狙っていたことはともかく~」

「狙ってねぇよ!!」

「それで、セイヤくんはまだ冒険続けるの? それなら、止めはしないけど。行きたい所があるなら連れて行ってあげてもいいよ?」


再び、セシルにスルーされた。

最初は、セシルにスルーされるとかあり得なかったのにな~、何時からこうなったんだろう……。

はぁ~とため息をついて、セシルの質問に答えた。


「いや、もう冒険はするつもりは無いし、行きたい所があるわけでも……」

「なら、お風呂入れば? さすがは王城の浴場と言うだけあって、なんか色々すごいよ~」

「う~ん、でもそれって誰かに着替えさせれたりしない?」

「あっ、されるね」

「なら、良い……」


前にセシルに無理やり着替えさせられたのが結構トラウマなっていたりする。

もう、あれは羞恥プレイだよな……。


「なら、魔王さんと入りなよ。魔王さんが下がれと言ったら世話係さんたちもおとなしく引き下がると思うよ~」

「あぁ、なるほど。……でもな~」

「どうかしたの?」


俺が渋る様子を見て、セシルが首をかしげる。

そして、俺はその提案についての問題点を口にした。


「ブラッドって、どこに居るの?」

「あぁ~、その問題があったか。でも、心配すること無いよ」

「なに、ブラッドがどこに行ったか知ってるの?」

「いや~、知らな~い」


セシルの間の抜けた声にガクッとバランスを崩した。

知らないのにどこら辺が心配しなくて良いんだよ。


「でも~、探すのは簡単だから平気」

「……どういうこと?」

「う~ん、説明面倒くさい。とにかく探しておいで~――後はレイよろしく」


そう言って、セシルはスキップしながらどこかへ行ってしまった。


「探しておいでって、……アイツ。それにレイって誰?」

「私のことですが?」


急に背後から声が聞こえて、ビクッと振り返ると優しげな表情をした青年がいた。

その顔は精巧な人形のように整っていて、綺麗だ。

……あれ? なんか、この人見たことある?


「あっ!! セシルが大量の服を持って帰ったとき荷物持ってた人!!」


青年はにこりと微笑んで頷いてみせた。


「はい、その通りですよ。マスターの契約精霊でレイと申します」

「あっ、どうも」


丁寧にお辞儀をされたので遅れて自分も返した。


「それでは、魔国ヘルメイアの王の下へと参りましょうか」


急に歩き始めた、レイの後を慌てて追う。


「参るって、ブラッドがどこにいるか知ってるの?」

「えぇ、まぁ、魔力の気配でどこにいるか読めば大丈夫です」

「あぁ~、そうなの?」

「はい」


意味がよく分からなかったが取りあえず頷くとレイは微笑んで再び歩き始めた。

後ろをしっかりついて歩く。

取りあえず、ついていけばブラッドのところにいけるんだよな?

セシ「ども、セシルだよ~」

ソフィ「ソフィーです」

セシ「今日は、ソフィーちゃんと一緒なんだね。そう言えば、作者は?」

ソフィ「分かりません。自堕落にだれているだけでは?」

セシ「意外と毒舌!?」

ソフィ「えっ、なにがですか?」

セシ「天然なのね……、了解しました」

ソフィ「えっと、よく分かりませんけど。分かりました?」

セシ「う~ん、なんでそんな発言に?」

ソフィ「なにがですか?」

セシ「いや、なんでもないよ?」

ソフィ「そうですか……、あっ、もう時間みたいです」

セシ「そうみたいだね~、それじゃあ」

セシ&ソフィ「次も見てね☆(くださいね)」

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